「子どもの結婚式で、素敵なドレスを着たかった」
そう話すのは、蓑毛由美(みのも・ゆみ/58)さん。かつて体脂肪率は約40%(※1)、体重も現在よりも20kg以上重かったという。40歳のころは、周囲からはロボコン(※2)と呼ばれるほど丸い体型。それでも当時は「運動なんて苦手」と何もしていなかった。しかし、長男の結婚式をきっかけに「このままではいけない」と心を決めた。
※1 体脂肪率は市販の体組成計によるものです。
※2 テレビ朝日系列で放送された特撮テレビドラマに登場するロボットのキャラクター。

最後にたどり着いたのは筋トレ
最初は、ダンスや軽い運動を試したが長くは続かなかった。結果が出ないまま、いつも途中でやめてしまう。そんな中、意を決して始めたのがパーソナルトレーニングだった。
「筋トレのマシンやダンベル、バーベルなどを見た瞬間、『私には無理!』と逃げ出しそうになりました。でもトレーナーさんの積極的な声かけで、何とか頑張れたんです」
それから8年。食べて、動いて、しっかり眠るという基本を大切にしながら、少しずつ身体は変わっていった。約40%近くあった体脂肪率は、現在は体脂肪率22%、体重も20kg減。服のサイズは2サイズダウンし、どんな洋服も自信を持って着こなせるようになった。
家事や育児をこなしながらのトレーニングは、決して楽ではなかった。それでも蓑毛さんは「目標を持ちながら前に進むだけ」と、淡々と続けたという。
「たまにはご褒美にカフェでゆっくり過ごして、至福のひと時を感じてました」
無理をしすぎず、リフレッシュの時間を取ることで、挫折することなく継続でき、「子どもの結婚式で素敵なドレスを着る」という目標も達成できた。
「大会に挑戦してみては?」──50代からの新たなステージへ
トレーニングを続ける中で、トレーナーからかけられた一言が転機になった。
「大会に出てみませんか?」
50歳を過ぎて初めて挑んだボディメイク大会。初めての減量もポージングも未知の世界だったが、トレーナーのサポートも受けながら、努力を重ねてステージに立った。
「減量はつらかったですが、ステージに立てたあの達成感は何ものにも代えがたいです」
蓑毛さんの挑戦は周囲にも波及した。
「よく温泉に行くのですが、そのときに友人が痩せた私を見て『私も頑張る!』と気持ちが入ったようで、同じパーソナルジムに通い始めました。周囲の友達もみんなきれいになっていって、私まで感謝されました」
その後、女性向けのトレーニング雑誌『Woman’s SHAPE(ウーマンズ・シェイプ)』の読者モデルにも挑戦。58歳にして人生初の雑誌掲載を果たした。
「運動嫌いだった私が、トレーニング雑誌に載るなんて……。こんな日が来るなんて思ってもみませんでした!私も60歳まであと少し。還暦を迎えても、さらにきれいになって、まだまだボディメイクに挑戦したいです。もう太った自分に戻りたくないし、ずっときれいなおばあちゃんでいたいですね」
取材:柳瀬康宏 写真提供:蓑毛由美










