11月9日(日)に大阪市ドーンセンター(青少年センター)にて『サマースタイルアワード(以下サマスタ)関西予選』が開催された。そのビューティーフィットネスモデル部門(※)ルーキークラスで優勝し、さらにショートクラスでも優勝を果たしたのが今野瑠菜(こんの・るな/28)さんだ。2024年から筋トレを始めて、ボディコンテストを意識した筋トレは今年になってからだという。
※日本初のモノキニを着た競技で、代表の金子賢氏が自ら考案したオリジナルカテゴリー。健康的な美しい身体が評価される

「筋トレは太ると思っていたんです。だから苦手意識がずっとありました。でも今は、筋肉がある自分の方が好きなんです」
今野さんはスポーツメーカーで働きながらトレーニングを続け、コンテスト初挑戦の『マッスルゲート愛知大会』ではウーマンズレギンス163cm以下級で優勝を果たしたが、6月の『サマスタ大阪予選』ではビューティーフィットネスモデル部門ショートクラスで8位と悔しい思いをした。その経験から、さらに筋トレに打ち込み、8月の『サマスタ京都予選』の同カテゴリーでは5位入賞し、今回の関西予選ではついに優勝となった。
体重9kgの減少から始まった気持ちの変化
運動は好きだったが、「痩せていることが美しさの基準」という価値観を持っていたという今野さん。
「食べることが大好きで、本当は我慢したくないのに、食べないダイエットや断食、〇〇だけダイエットとかを繰り返していました。体重が減ると一瞬はうれしいけど、結局食欲に負けて我慢できなくなって、体重がまた戻ったりしていました。体重の増減は10kgくらいを行ったり来たり。まさに万年ダイエッターでした」
そんな今野さんが変わったのは、昨年ジムに通い始めたことがきっかけだった。
「最初は太りやすい体質だからという理由で通い始めたのですが、筋トレで9kg体重を落とすことができました。これまでのダイエットと違い、自分の身体が引き締まっていき、どんどん変わっていくのが楽しくて筋トレにハマりました」
職場の人から「痩せたね!」と言われることがうれしく、モチベーションにもなったという。そんな中、YouTubeで見たサマスタの選手たちの姿に心を打たれた今野さん。
「モノキニを着てステージに立つ女性たちが本当にカッコよく見えて、私もいつかあんなふうになりたいと思い、ボディコンテストへの挑戦を決めたんです」
“美”の基準が変わった
「以前は体重が少ないことが美しさだと思っていました。でも今は、筋肉がある方が健康的で、自信を持てるようになりました」
ジーンズを履いたときの感覚の変化や、今まで避けていたレギンス姿に抵抗がなくなったことも、心の変化を感じる瞬間だという。
「まさか自分が、筋肉がある自分の方が好きと思う日が来るなんて、信じられませんでした」
今回の優勝を手にしても、今野さんの身体づくりへの探究は止まらない。
「さらに上のレベルで勝つためには全身を強化する必要があると思っています。特に下半身は課題ですね。脚やお尻の使い方をもっと上手くなりたいですね」
最後に今野さんは、笑顔でこう語る。
「挑戦することは、何歳になっても楽しいですね。応援してくれる家族や仲間がいるからこそ頑張れます。やっとスタートラインに立てたので、これからも成長して進化していきたいです。大会関係者の皆さん、サポート、応援してくださった方々、本当にありがとうございました。今年一番うれしい日になりました!」
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材・文:柳瀬康宏 撮影:岡 暁
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。
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