ミドルシニア世代はトレーニングやダイエットの効果が出にくく、諦めがちだという声は多い。
「たしかに、すぐに結果を出すのは難しいかもしれません。でも、継続は必ず良い効果をもたらすと私は感じています」
10月13日(月・祝)、『ベストボディ・ジャパン2025東海大会』ミス・ベストボディ部門クイーンクラス(50〜59歳)で準グランプリに輝いた上志幸(じょうし・ゆき/58)さん。張りのある筋肉と健康的に引き締まった曲線は、53歳からトレーニングで培ったものだ。今年さらに肉体美を更新した上志さんに、ミドルシニア・シニア世代の肉体造形のコツを聞いた。
中高年こそハードな筋トレを
上志さんは今年トレーニングを存分に楽しめる身体を目指し、「ミス・モデルジャパン部門」から、より筋肉量の求められる「ミス・ベストボディ部門」へ出場を変更。低重量・高回数から、高重量で限界を目指すトレーニングスタイルへシフトした。
「筋トレで太くなりすぎることを心配する女性は多いですが、ゴリゴリにやって私くらいにしかなりません(笑)。同世代では、ある程度ハードなトレーニングでないと肉体が反応しづらいのではと思います」
BIG3(スクワット、ベンチプレス、デッドリフト)を中心に筋肥大に特化したメニューを採用。がむしゃらさだけでなく、細かな工夫も入れる。
「体質的に痣ができやすいため、100kg超になったヒップスラストはドンキーキックに変更しました。肌トラブルを回避しつつ、より可動域が広くなる効果もありました」
身体機能の改善・回復には優しく
ウエイトトレーニングと並行し、ピラティスでインナーマッスル強化と姿勢改善に取り組む。
「巻き肩、ストレートネック、O脚などの健康上にも問題を起こすコンプレックスの解消に、ピラティスはとても有効です。身体が整うと、トレーニングレベルの向上にもつながります」
また、筋肥大に欠かせないのが増量だが、少食のため無理な食事量の増加は行っていない。
「3〜5回の分食で、温泉卵やコーンポタージュ味プロテインをスープで摂取するなど、飽きを防ぎつつ胃腸に優しい増量をしています」
睡眠前には、フォームローラーやボールで筋肉をほぐす習慣を取り入れた。こういった工夫で、ハードなトレーニングになっても大きな怪我や過度な負担は経験していないという。
「ボディメイクが更年期を軽減」 活力をさらなる目標へ
トレーニングと食事管理を続けてきたことで、シニア女性ならではのメリットもあったと語る。
「6年間の運動と食事管理が更年期を乗り越えるのに役立ちました。ホットフラッシュ、めまい、気うつが軽減し、大会出場という目標に打ち込むことで、心身ともにかなり楽に過ごせたと思います」
上志さんは今日も元気にトレーニングに励みつつ、11月23日の『日本大会』へ向け、意欲を見せる。
「素晴らしい選手が揃うステージで緊張しています。おこがましいですが、なるべく前列の真ん中で呼ばれ、ステージに残れるよう頑張りたいです」
上志さんの実践はミドルシニア世代が肉体を変えるヒントと、一歩を踏み出す後押しになるのではないだろうか。
取材:にしかわ花 撮影:上村倫代
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』『Womans'SHAPE』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーとエクサイズでボディメイクに奮闘している。
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