11月23日(日・祝)に開催された『ベストボディ・ジャパン日本大会』。レディースクラス28番としてステージに立った強力萌(ごうりき・もえ/32)さん は、特別な胸の高鳴りを感じていた。
「今年は“応援されることの喜び”を、心の底から感じた1年でした」
ステージに立つ選手は多い。しかし「大勢に応援される選手」になれる人は数少ない。強力さんは、まさにその存在へと成長した一人だ。

“応援される選手”は偶然ではなく、人間性から始まる
昨年、初挑戦したときは日本大会に出られることが純粋にうれしかったという。しかし2年目の今年、周囲の景色は大きく変わっていた。
「夫をはじめ、家族、友人、全国のフォロワーさん……本当にたくさんの方が応援してくれるようになりました。地方大会には30人以上が来てくれて、来られない方は神社で必勝祈願をして写真を送ってくれたりして。それを見た瞬間、涙が出ました」
なぜ、これほど応援が集まるのか。
強力さんは決して“頑張っているアピール”をしない。その代わり、いつも前向きな言葉で返し、誰かの挑戦にも本気でエールを送っているという。まっすぐで、明るくて、嘘のない人。その人間性に、人が自然と惹かれていくと応援団は語る。
「比べるのは他人ではなく“昨日の自分”」
応援が増えた背景には、強力さん自身の考え方の変化もある。
「順位はつきますけど、比べるのは他の人ではありません。昨日の自分を超えられるか。自分の人生が前に進んでいるか。そこだけを大切にしています」
他者を気にしてブレるのではなく、自分の成長に集中する。それが周囲の人の心を動かし、「応援したい」と思わせる。
「ステージは一人で立っているように見えて、実はぜんぜん一人じゃないんです。応援してくれる人がいるから、自分の最高を更新できる。こんなに幸せなことはありません」
32歳にして、“人に応援される人生” に変わった理由は、努力だけではない。人に寄り添い、誠実で、前向きであるという “生き方そのもの” が、人を惹きつけている。
目標は3年でベストボディ・ジャパンの日本一
強力さんには明確な未来がある。
「ベストボディ・ジャパン出場を始めたときから、“3年で日本一になる”と決めています。来年、必ず日本一を獲りに行きます」
この言葉に、無理や背伸びは感じない。応援してくれた人たちの期待に応えたい、そして一緒に最高の景色を見たい。その思いが、強力さんをまた一つ強くしていく。
応援される喜び。応援される理由。そして、その喜びを原動力に変えて挑む姿。
32歳の強力萌さんは、今日もまた誰かの背中を押し、そして誰かに背中を押されながら、前へ進んでいく。
取材・文:FITNESS LOVE編集部 撮影:高坂裕希










