2025年12月6日(土)、兵庫県・神戸ポートオアシスにて、関西のスポーツ新聞メディア『デイリースポーツ』が主催するマスメディア初主催のボディビル・フィットネスコンテスト『ニューウェーブ・フィットネス デイリースポーツカップ2025(以下デイリースポーツカップ)』が開催された。

初級者向けのコンテストであり、アンチドーピングを掲げるJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)から承認を受けた大会。コスチュームや競技ルールなどJBBFの規約・規定に則って行われ、審査もJBBF公認審査員が行う形で進行した。
第1回となる本大会は総勢74人の参加者が集まり、各カテゴリー(※)でしのぎを削った。
(※)男子カテゴリー:ボディビル/メンズフィジーク/ナチュラルバルク。女子カテゴリー:ビキニフィットネス/フィットモデル/ビギナーズレギンス
本大会は、デイリースポーツ社内でボディビルを愛好する社員からの熱意ある提案が発端となり、企画がスタートしたという。その実現のキーパーソンとなったのが、大阪ボディビル連盟の理事をしている中武克雄氏だ。デイリースポーツカップ実行委員長の坂元昭夫氏と中武氏が古くからの知人であったことから実現したという。
「昔、たまたま競輪担当の記者をしました。そこで知り合った中武さんを思い出したんです。中武さんは元競輪選手でその後にボディビルを始めた方なのですが、現在は大阪ボディビル連盟の理事をされています。中武さんに相談をしたところ、協力をしていただけるということになりました」と坂元氏は言う。
そこから開催地である神戸市の管轄である兵庫県ボディビル連盟にも協力を依頼し、ボディビル連盟とメディアがタッグを組んだ大会が開催されるに至った。
参加へのハードルを下げる独自のレギュレーションとカテゴリー
「どうしてもボディビルなどのコンテストはハードルが高いイメージがあったので、コンテスト初出場から5年以内と限定したり、ナチュラルバルクという過度な減量を必要とせず、日焼けも不要なカテゴリーを作ったりと、誰でも参加ができるというところが第一のコンセプトです」と坂元氏。
こうした工夫が選手たちのモチベーションを刺激。募集開始から反響を呼び、最終的に74名の参加者へとつながった。また、この大会を提案した社員の北村孝紀氏になぜボディビルコンテストを提案したのか伺った。
「ボディビル自体はまだまだ世間では知名度の低い競技かもしれませんが、コンテンツとして面白いと思ったんです。ジムの増加で筋トレをする人も増加していますが、その鍛えた身体を魅せるというシンプルな競技性、そしてステージに立つまでの選手のエピソードは他のスポーツと比べてもユニークさが際立っていると思います。今は競技の知名度の関係で紙面では扱いにくい状況ですが、メディアとして大会を主催することで、知名度向上につなげることができると思い発案しました」
デイリースポーツカップのならではの企画として、競技の合間に行われたトークショーが挙げられる。阪神タイガースの石井大智投手を招いて、会場に集まったフィットネスファンや出場選手を前に、野球だけでなく日頃のトレーニングや筋肉に関するディープなトークを展開。大いに会場を沸かせた。
そしてこの日最大のサプライズは、石井投手によるボディビルのサイドチェストポーズの披露だ。現役プロ野球選手がボディビルのポーズを披露するという非常に貴重な瞬間は、参加者や観客にとって最高のサービスとなり、大会の熱気を一層高めた。
最後に北村氏にフィットネスへの想いを伺った。
「プロ野球選手への取材でも身体づくりについて聞くことが多く、筋トレはスポーツの根幹にもなり得る部分であると実感しています。健康の観点からも多くの人に触れてみてほしいですね。また、誰にでも挑戦しやすく、競技の高みを目指す人のステップになるような大会として、いずれはデイリースポーツカップでデビューした人の中からフィットネススター選手が生まれたらうれしく思います」
今後の大会開催はまだ未定とのことだが、初開催にして成功を収めた『デイリースポーツカップ』は、日本のフィットネス競技界における新しい波として、その名を刻み込んだと言えるだろう。
取材・文:柳瀬康宏 写真提供:デイリースポーツ
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。










