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巻いた瞬間に「これすごいな」【相澤隼人×フロスバンド】 現役時代に最も愛用していたコンディショニンググッズの即時的な効果

【短期特別企画】
トップ選手のコンディショニンググッズ活用法
相澤隼人×フロスバンド

着用ウェアは相澤選手オリジナルブランド『NU PRODUCTS』。上:BIG SILHOUETTE WASHED T-SHIRT(6,270円/税込)。下:PERFORMANCE ELITE2-in-1 SHORTS(6,820円/税込)

コンディショニンググッズ活用法第2回はフロスバンド。関節等にバンドをぐるぐる巻きつけている様子はジムでたまに見ることがあるが、その狙いはなんなのだろうか。競技人生の中でフロスバンドを愛用し続けていたという相澤選手の口から出たのは、即時的な効果の大きさと、使う際に特に気をつけてもらいたい点だった。

取材・文:舟橋位於 撮影:北岡一浩 Web構成:中村聡美

フロスバンドとは?

天然ゴム製のバンドを身体に巻き付けて圧迫し、自動運動や他動運動を行うことで、関節可動域の増加や、動作時の違和感を緩和する効果が期待できるコンディショニングツール。その効果の即効性と実施の手軽さから、多くのトレーニーに愛用されている。

たった1回の使用でも巻いた部位の動きやすさが分かった

初めてフロスバンドのことを知ったのは大学1年か2年のときです。当時通っていたゴールドジム町田東京店には、ボディビルダー以外にも他競技の強化目的の方がいて、その人たちがコンディショニングで使っているのを見て知りました。
実際に使ってみたのは、マッスルコンテストの際に開かれた「コンプレフロスセミナー」でした。そこで実際に身体に巻いた瞬間に「これすごいな」と感じたのを覚えています。巻いた部位が動きやすくなる感じが、1回の使用でも分かりました。動きがスムーズになる効果に加え、関節可動域が広がることや、巻いた部分の感覚が良くなるといった効果も感じられました。それからは競技生活を通じてほぼずっと使い続けてきましたね。

ハムストリングがガチガチ!まずは太ももにフロスバンド!

組織が固くなっている人にはぜひ試してもらいたいです。例えば、デッドリフトやベントオーバーロウでヒンジ姿勢を作った際に、ハムストリングがガチガチになっている場合が挙げられます。この場合は、太ももにフロスバンドを巻くと、効果が実感しやすいはずです。
股関節に詰まりを感じたり、足関節背屈角度が十分に取れなかったりする場合も、関節周辺にバンドを巻いてみると良いです。
あとは、指先や手のひらの感覚を良くするためにも使えます。感覚入力というとナボソニューロボールが思い浮かぶかもしれませんが、個人的にはフロスバンドも負けないくらい良いグッズだと思っています。手にも足裏にも使用できる点はポイントが高いですね。

可動域の改善や動きがスムーズになる効果

フロスバンドを習慣的に使っていくと、やはり、可動域の改善や動きがスムーズになる効果が狙えます。可動域が改善されれば、今まではやりづらかった動きができるようになり、それに伴ってエラー動作も軽減できます。また、痛みへの対処としての使い方もあると思います。フロスバンドを巻いた状態でマッサージガンを使うのも良いです。
フロスバンドは即時で得られる効果が大きいので、もちろんトレーニング前の使用は大いに勧められます。コツをつかめば時間もそれほどかからないです。慣れてきたら、寝る前に巻くのも良いと思います。急激に効果が出るわけではないですが、使っていくうちにじわじわと良い感覚が得られてくると思います。

フロスバンドは面倒くさそうだけどじつは時短グッズ!?

他のどのツールにも言えることですが、適材適所ということは意識したいです。それぞれのグッズごとに得意な領域が違うので、うまく使ってあげることが大切です。
そんな中でフロスバンドのメリットを挙げるとするならば、全方向からのアプローチができるという点だと思います。フォームローラーでも固くなった組織にアプローチできますが、全ての方向から当てるには時間がかかります。その点、フロスバンドは一度に全方向から圧刺激を加えることができます。
デメリットとしては、巻くのに時間がかかるというのがあります。しかしそれでも、手順に慣れてコツをつかんでしまえば、それほど大変な作業だとは思わなくなってくるはずです。

フロスバンドは思っているよりきつく巻いて使うべし!

クライアントに驚かれることがあるのですが、フロスバンドは思っているよりもかなりきつく巻いて使いましょう。フロスバンドが身体に強く密着した状態を作り、バンドと皮膚の間に摩擦を作ることがポイントです。イメージは、常にバンドを5倍の長さに引き伸ばして使うような感じです。
あとは、末端から中枢に向かうように巻くのがセオリーです。身体の遠い部分から中心部に向かってということですね。
ただ巻くだけでも効果がありますが、関節に巻く場合は、曲げ伸ばしをしてみるとさらに効果が得られます。肘と肩の二関節にまたがって巻くようなときは、両方を大きく動かしても良いでしょう。
バンドを巻く時間は、3分以内が良いとされています。

トレーニングの前提条件としてコンディショニングがある!

全体的な考え方として、適切なフォームで運動を行えるかや、そのために必要な正しい身体の状態ができているかというところを意識しています。また、自分のやりたい動きが正しくできるように身体を修正するということも含まれます。
こういったことを考えた際に、プラスになりすぎているところやマイナスになっている部分をそれぞれ0に近づけることがコンディショニングなのではと思っています。自分の場合は、胸郭が動きすぎてしまうというプラスの要素を0にするために、胸郭については安定化を狙います。逆に肩周りが安定しづらいというマイナスポイントは、リリースを行って可動域を確保したり、僧帽筋下部に刺激を入れたりで対処します。

おすすめ
フロスバンドの巻き方7

相澤選手が現役時代に愛用していたフロスバンド。7つ全部実施してほしいと言うが、時間がない人はまずは1~4を試してほしい。その変化に驚くだろう。巻いたら、アームカールやスクワットなどの自動運動と巻いた箇所を押さえてひねるなどの他動運動をしよう。

まずは1~4を試して驚きの変化を体感せよ

①足首

【やり方】
❶母指球の下にバンドを当てたところからスタート
❷アーチを高めるように内から外に向かって巻く
❸くるぶしを越えたら、アキレス腱に1回巻く
❹再び足裏に戻ったら、かかとを覆うように何周かする
❺十分に巻けたらふくらはぎ方向に巻いて完成

ココがポイント

距骨にアプローチできると良い

②股関節

【やり方】
❶太ももの中間あたりからスタート
❷内から外へ向かうように巻く
❸続いて大転子の前を通り、背面で一周させてから大転子に戻る
❹もう一度太ももに巻く
❺最後に大転子を通ってから太ももで止めて完成

ココがポイント

大腿部の付け根に圧がかかるようにする。後ろに引っ張られるような感覚が得られるように

③たすきがけ

【やり方】
❶肩甲骨の下にバンドを当てた状態からスタート
❷脇の下を通して、前から両肩にバンドをかける
❸背中の後ろでバンドをクロスさせる
❹身体の前でバンドをクロスさせる
❺もう一度背中を通してから、身体の前でバンドを結んで完成

ココがポイント

後ろでクロスする際に強く引っ張る。こうすると、胸椎が伸展した姿勢が作れる

④腕

【やり方】
❶親指でバンドを挟んだら、手の甲から巻いていく
❷続いて、親指の付け根側を巻く
❸手首、前腕、肘、上腕の順で巻きつけて完成

ココがポイント

常に圧をかけながら巻くと良い

時間があれば追加で3種目!

⑤太もも

ココがポイント

デッドリフトで背中を疲労させた直後にヘビーベンチプレスを行うのは、フォームに悪影響を及ぼすため避けたほうがよい

⑥指

ココがポイント

手のひら・指先の感覚改善

⑦体幹部

ココがポイント

腹圧の意識が得られる。肋骨内旋位を作りやすくなる

あいざわ・はやと
1999年10月21日生まれ、神奈川県相模原市出身。身長164㎝。アイデンティティの筋肉を携えて唯一無二の俳優道を歩み出す。ゴールドジムアドバンストレーナーでパーソナルトレーナー。JBBFの審査員としても活動中。JBBF日本男子ボディビル選手権2021~2023年優勝。

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佐藤奈々子選手
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