サマスタ選手 コンテスト

“まんまるヒップ”の28歳・看護師がコンテストで活躍 日勤、夜勤ある中で週5回トレーニング【フィットネス】

「ステージに立つ時間は一瞬だからこそ、そこに立つまでに積み重ねてきた時間や経験が、より大切に感じられるようになりました」

そう語るのは、今年のサマースタイルアワード(以下サマスタ)で一気に存在感を高めた、中村真央(なかむら・まお/28)さんだ。

【写真】中村真央さんの”まんまるヒップ”のバックポーズ

6月の『サマスタ関西新人類&ROOKIE CHALLENGE CUP西日本予選』でボディコンテストデビュー。ルーキービューティーフィットネスモデル2位、ビューティーフィットネスモデル優勝という結果を残し、7月にはプロカードを獲得。さらに11月、全国からトップ選手が集う決勝大会の舞台へと歩を進めた。わずか1年とは思えないほど、濃密なシーズンだった。

決勝大会、そして初のプロ戦を終えた率直な感想を尋ねると、中村さんは迷いなく言い切った。

「大完敗。この三文字に尽きます。『ROOKIE CHALLENGE CUP FINAL』ではショートクラス4位、『REGIONAL QUALIFYING FINAL』ではTOP10に入ることができましたが、初挑戦のプロ戦『JAPAN PRO GRAND PRIX』では予選落ち。プロの世界の厳しさを、真正面から突きつけられました」

1年でここまで積み上げてきた結果への誇りはある。その一方で、全国、そしてプロの舞台は決して甘くない。その現実を、身をもって知ったシーズンでもあった。今季、特に力を注いだのは下半身の強化だ。

「背中に対して下半身のボリュームが足りないと感じていました。課題を克服するために、下半身トレーニングは週3回。トレーニング前には、自重以上の負荷がかかる強いバンドを使ってウォーミングアップを行い、お尻にしっかり効かせてから本トレに入っています」

お尻の上部・中部・下部を意識的に分け、高重量、中重量、低重量高回数と目的別に内容を組み立てた。中でも、これまで苦手意識から避けてきたヒップスラストには、あえて正面から向き合った。

「苦手だからこそ、伸び代があると思ったんです。逃げずにやり切ることを意識しました」

振り返れば、反省点は明確だという。

「ステージ上での表現力、身体のアウトライン、細部の完成度。まだ突き詰めきれていない部分がありました。ただ、全国の舞台に立ったからこそ、自分に何が足りないのかが、はっきり見えました」

看護師として働く中村さんは、日勤・夜勤が入り混じる不規則な生活のなかで、週5日のトレーニング時間を確保している。夜勤前は思い切ってオフにし、日勤の合間に集中してジムへ。家事との両立も、事前にスケジュールを立てることで、余計なストレスを減らしてきた。

ダイエットをきっかけに始めたボディメイクは、今や中村さんの人生を最もわくわくさせてくれる存在になっている。勝負の緊張感、非日常の空気、そして選手それぞれの想いが交錯する舞台裏。ステージに立てる時間は、ほんの数分だ。だからこそ、その一瞬のために積み重ねてきた時間や経験が、何よりも尊く感じられるという。

【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。

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取材・文:柳瀬康宏 写真提供:中村真央さん

執筆者:柳瀬康宏
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。

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