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「驚愕の極太脚!」 ウェルネス絶対女王の大谷美咲が世界で魅せた筋肉美 「連続4時間しか眠れない」睡眠改善で狙うさらなる進化

下半身のボリュームが特に重要視される競技「ウェルネス」で国内2連覇、世界選手権でも2年連続2位と世界トップクラスで活躍する大谷美咲(おおたに・みさき/38)選手。大木のように太く発達した大腿部とギュッと細く締まったウエストを兼ね備える大谷選手が「睡眠は連続で4時間しか取れなかった」と苦闘しながらも作り上げた身体と、昨年、世界の舞台で受けた衝撃を語る。[初出:月刊ボディビルディング2026年2月号]

【写真】太い!大谷美咲さんの“極太脚”と全身ステージフォト9枚

大谷美咲さん

ヨーロッパ開催で見えた世界の厚み

――今年の世界選手権、率直な感想を教えてください。

大谷 去年の日本開催とは選手層がガラッと変わっていました。やはりヨーロッパ開催で、選手数も多く、レベルも全体的に高かったですね。特にウェルネスは身体の厚みがあり、下半身もかなりボリュームのあるウェルネスらしい選手が本当に多かった印象です。実際会場に入った瞬間から空気感が違うように感じました。

――結果はマスターズ3位、身長別で2位でした。

大谷 はい。マスターズは正直ギリギリで、運も良かったと思います。身長別に関しては、点数は僅差だったようなんですけど……自分の中では惜しいとは感じられず、明らかに及ばなかったと思っています。点数だけを見れば紙一重に見えるかもしれませんが、舞台上での感覚はそんなに甘くありませんでした。

――1位の選手とは、点数では僅か1ポイント差でした。明らかに及ばなかったと感じる理由は?

大谷 ポージングの完成度だけで言えば、優勝した選手を含む、上位の選手も決して完璧ではなかったと思っています。それでも勝つことができなかったということは、つまり身体で勝てなかったということ。ステージでも、そしてバックステージで選手を間近で見たときにも、その身体の差を強烈に感じました。

――具体的に、どこに差を感じましたか?

大谷 やはり骨格の厚みですね。日本人はどうしても平らになりやすいのですが、海外選手は骨盤も肋骨周りも厚く丸い。さらに筋肉一つひとつのサイズも大きい。バックステージで見ると、上位選手だけではなく、順位が下の選手でさえウェルネスらしいと感じる選手ばかりでした。私はポージングでかなり頑張ってウェルネスらしく見せている部分が多いです。でも海外選手は、立っているだけでウェルネスらしさがありました。あの土台の違いを見て、「まだまだ私はウェルネスに到達していない」と強く感じました。努力が無駄とかではなく、根本的に積み上げる部分がまだあると感じます。

――去年も世界選手権で2位でした。去年と今年の2位の意味合いは違いましたか?

大谷 はい、違いましたね。正直去年は、私が思い描いていたウェルネス像とは違う審査基準だったように思いました。でも今年は違う。ウェルネスとは何か、世界トップの基準とは何かを、目の前で突きつけられた気がしました。曖昧だった輪郭がクリアになった、そんな感覚でした。

――ご自身の理想のウェルネス像とは?

大谷 下半身に圧倒的なボリュームがあって、でも絞れていて、アスリートらしさがあることですね。そして上半身も応じて作れていること。今年の一般オーバーオールチャンピオンは、私の中の理想像に近かったです。筋量も仕上がりも素晴らしかったと思います。動きの一つひとつにも説得力がありました。

――順位を聞いたとき、ご自身ではどのように受け止めましたか?

大谷 あまり感情が湧かなかったんです。悔しいとか嬉しいとかもなくて。というのも、バックステージで得たいものはすべて得てしまったから、というか……。

――得たいものとは?

大谷 世界のウェルネス像を自分の目で確かめたいと思っていたんです。実は、バックステージで選手を見た時点で答えは出ていたんです。だから表彰のときには、もう自分の中で満足してしまっていました。もちろんメダルは大事ですが、それ以上の収穫があったと感じています。

世界のトップ選手を見て得た気づき

――今回の大会で見えた課題は?

大谷 一番は根本的なボリューム不足。特に下半身の丸みや厚みですね。もうひとつは柔軟性です。海外選手はトップ層ほど身体が柔らかい。パンプ中の動きひとつ見ても違いを感じました。可動域の質の差がそのまま見え方の差につながっているように思います。

――逆に自身が良かったと思えた点は?

大谷 うーん……自分では特にないですね。周りの声もほとんど聞いていません。自分の中で全て完結してしまっていて、他者の評価を求める気持ちがあまり湧かなかったです。迷った時だけ聞く、というスタンスは以前から変わっていないかもしれません。

――昨年から鈴木雅さんのパーソナルを受けていますよね。

大谷 はい。きっかけは一昨年の世界選手権で初めてお会いしたことでした。それまで一度もパーソナルを受けたことがなく、自分でできることの天井が見え始めていた時期で。新しい刺激が必要だと思ったんです。

――どんな指導が印象に残っていますか?

大谷 身体が上手く使えていないことに気づくことですね。特に足裏の感覚は自分が思っている以上に左右差があり、できていない。そこを知ることがまず衝撃でした。

――筋トレの質にも影響しましたか?

大谷 大きく変わりました。コンディショニングで土台が整ってきた実感があります。だからこそ、今年のオフは重量も上げにいく準備ができていると思っています。

――2026年に向けて、どんな戦略を考えていますか?

大谷 まず、最後の世界選手権にコンディションを合わせること。今年はオールジャパンが一番良くて、そこから疲労が抜けきらなかった感覚があります。減量が長引いて睡眠も浅くなり、後半は睡眠の質が落ちてしまいました。ここを改善できれば仕上がりはもっと良くなると思います。

――睡眠はかなり大きい課題のようですね。

大谷 はい。実は睡眠は連続で4時間くらいしか眠れず、その後は浅い睡眠が続く日が多かったです。来年は毎日6時間は質の高い睡眠を確保することを優先したいです。睡眠が整えば減量の進み方も浮腫の取れ方も全然違うので、ここは絶対に改善したいと思っています。

――トレーニング面では、根本的なボリュームアップに向けて、メニューや重量は変えますか?

大谷 種目は変えません。私は昔から種目を増やさず、同じ種目の精度を高めるタイプなので。ただ、今年のオフは重量も上げていこうと思っています。鈴木さんに教わったコンディショニングで身体の土台が整ってきたので、さらに身体のボリュームを増やせるようにしていきます。

――最後に、2026年の目標を教えてください。

大谷 国内ではオーバーオールを獲りたいですね。そして世界選手権では優勝。もう目指すところは世界一しかないので、そこを狙っていきます。

大谷美咲(おおたに・みさき)
1987年9月7日生まれ/新潟県出身/身長158㎝/体重50㎏(オン)、55㎏(オフ)
主な戦績
2018年 横浜オープンビキニフィットネス2位
2021年 オールジャパンボディフィットネス35歳未満級優勝
2021年 グランドチャンピオンシップスボディフィットネス優勝
2022年 オールジャパンボディフィットネス158㎝以下級優勝
2022年 グランドチャンピオンシップスボディフィットネス優勝
2023年 オールジャパンボディフィットネス158㎝以下級優勝
2023年 グランドチャンピオンシップスボディフィットネス優勝
2023年 IFBB世界フィットネス選手権ボディフィットネス158㎝以下級&マスターズ35~39歳級&マスターズオーバーオール優勝
2024年 SPORTECCUPウェルネス優勝
2024年 オールジャパンウェルネス選手権163㎝以下級&オーバーオール優勝
2024年 IFBBアーノルドクラシックヨーロッパ158㎝以下級&オーバーオール優勝
2024年 IFBB世界フィットネス選手権ウーマンズウェルネス158㎝以下級&マスターズ35~39歳級2位
2025年 オールジャパンウェルネス選手権158㎝以下級&オーバーオール優勝
2025年 IFBB世界フィットネス選手権ウーマンズウェルネス158㎝以下級2位&マスターズ35~39歳級3位

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取材・文:柳瀬康宏 撮影:EastLabsPhotoTeam

執筆者:柳瀬康宏
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。

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