3月28日(土)、29日(日)の2日間にわたって、かわさきカルッツ(神奈川県・川崎)で『マッスルゲート神奈川大会』が開催された。28日に行われたメンズフィジーク新人の部168cm以下級では、草野知博(くさの・ともひろ/24)さんが優勝を手にした。新人とは思えない身体で会場にどよめきをもたらすまでに至るには、長年の見えない努力があった。

同世代の活躍が刺激になり競技の道へ
「まだ、スタートラインに立っただけだと思っています。ここからステップアップしていしたいです」
現在24歳の草野さんは、今大会が初の競技参加。しかし、身体を鍛え始めたのは17歳で、トレーニング歴は長い。始めるに至った大きなきっかけはなく、漠然と「身長が伸びた後は筋肉を付ける」という義務感を抱いていた。
トレーニング開始以前から筋肉質であり、スムーズに身体づくりができることは想定していた。それでも身体が少しずつ大きくなっていったことは自信につながった。
「実は、競技にはそれほど興味なかったんです。でも、トレーニングの情報を集める中、若い選手の活躍している姿を見て刺激をもらいました。人生は一度きり。後悔しないようにどこかで動かなきゃいけないと思っていました」
食事は「ひたすら食べる作業」、減量は天国
現在は週に5〜6回ほど仕事の後や合間にジムに通い、部位別にトレーニングを行う。アウトラインに課題を感じており、今大会に向けては上半身を中心に鍛えた。ポージングはオールジャパンのトップ選手や、個人的に理想だと思う同階級の選手たちを参考にし、周りの意見を取り入れながら試行錯誤した。
食事は増量時も減量時も基本的にカロリー計算はせず、感覚に頼って取る。増量時は1日に4~5食、1回の食事で可能な限り食べるようにした。
「食事の匂いを嗅ぐだけで吐き気がし、えずくこともありました。だから減量は天国にいるような気分でした」
一方で質も意識し、無駄な脂や添加物を含むものを避け、1つの食材に偏らないように心掛けた。
こうした努力を重ねて今大会で初めてステージに立ち、優勝以外にも大きな気付きを得た。
「大会前の減量といった調整や、ステージに立ったときに自分の身体がどう見えるかは、単にトレーニングをしているだけではわからない。大会に出ると決めたからこそ得られた経験でした」
目標はオールジャパン優勝
競技者として最高のスタートを切った草野さん。すでに次の目標を見据えていた。
「今年の夏は、JBBFの地方選手権に出場します。そこで優勝し、階級別の国内1位を決めるオールジャパンに出場することが目標です」
志が高い新鋭は先人たちを刺激する存在になるだろう。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
執筆者:増田洋子
編集・ライター。インタビューが好きで医療、ITなどを中心にさまざまなジャンルで執筆中。現在は週に4日、ジムでのんびり運動をしている。東京都在住。
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取材・文:増田洋子 撮影:中島康介










