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#2 何が「正しい」健康?【旅からみえた体質改善 ─カラダを見立てる東洋医学─】

「体質改善」。よく耳にする言葉だが、一体どのようにして改善するのか?何をもって改善と言うのか?元Yoga&Fitness編集部員が、世間が決めた健康像や当たり前を疑い、体質改善を東洋医学の観点から深掘りしていく新シリーズ。読めば自分の身体に対する考えが180度変わるかもしれない。

東洋医学(アーユルヴェーダや中医学)の視点から、体質改善をサポートしている。前回の記事では、体質改善を始めるとき、まずは「現在地をみる」という話を書いた。でも実際は、その現在地を見えにくくしているものがたくさんある。旅をしながら生活していると、日本では当たり前だった感覚が、別の土地ではまったく違って見えることがある。健康や美しさも同じで、「正しい」と思っていたものが、環境によって変わることに気づかされる。今回は、そんな「正しさ」の話。

旅をして驚いたことの一つが、「ゴミ」の感覚だった。私が人生で初めて、一人で海外に行ってみようと選んだ場所はインドだった。インドは「ヨガの聖地」というイメージだったのもあり、「自然と共存している」ようなイメージがあった。だけど意外にも食べ終わった紙や食べ残しをそのまま道に捨てていく人が当たり前にいて衝撃的だった。インドは人口の8割程度がヒンドゥー教とはいえ、歴史を辿れば他民族国家である。日本では、「ゴミを捨てない」という感覚が、かなり強く身体に入っている気がする。

「紙だから自然に還る」と言っている人もいたが、よく考えるとその紙も人工物だったり、川にはプラスチックが流れている場所もあって、どこまでもゴミが積み上がっている景色も見た。これはインドに限った話ではないのだが……。

自然の片隅に集められたゴミ

 

家の下に流れるゴミの川

一方で、そういった場所でも野菜や魚は驚くほど力強くて、おいしかったりした。多種多様な動物たちが元気に生きていて、すごく汚そうな川で蛍を見たこともあった。ただ、そんな生命力のある野菜や動物たちをいただくときでも、化学調味料を使っていて、自然と人工物がすごく近い距離で混ざっていた。

ゴミから食べ物を探すニワトリ

もちろん日本が自然と共に生きられているかと言われると、そんな単純なことでもない。「きれい」に見えるだけで、見えない場所では大量のものが消費され、捨てられていたりもする。そうなると「自然」と「人工物」の境界線も、「正しい」の基準もわからなくなってくる。

水は2リットル取った方がいい。タンパク質はたくさん取った方がいい。白米は太る。筋トレをした方がいい。発酵食品を食べた方がいい。本当にそうなのかと疑わず、「これが正しいらしい」と思うほど、自分の感覚よりも外側の基準を優先してしまう。本当は疲れているのに無理をしたり、合っていないのに続けたり。

アーユルヴェーダでは、「何を食べるか」だけではなく、「どんな状態で食べるか」がすごく大切とされている。どれだけ身体に良いものを食べていても、不安や焦りの中で食べていると、うまく消化しにくい。「健康」や「幸せ」の基準も、環境によって驚くほど変わる。「正しさ」を探すことよりも、「今の自分に合っているのか」を見ていくことが、大切なのかもしれない。

では具体的に、自分に合っているもの、合わないものはどうやって見つけたらいいのか、次の記事で書いてみたい。

松本みなみ

執筆:松本実奈美(まつもと・みなみ)
元Yoga&Fitness編集部。退職後、ヨガ修行と一人旅を兼ねて約2カ月間インド生活を送る。WORLD PEACE YOGA SCHOOLの『200 Hour Yoga Teacher Training』講座修了

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