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#4 小さな違和感は積み重なっていく【旅からみえた体質改善 ─カラダを見立てる東洋医学─】

「体質改善」。よく耳にする言葉だが、一体どのようにして改善するのか?何をもって改善と言うのか?元Yoga&Fitness編集部員が、世間が決めた健康像や当たり前を疑い、体質改善を東洋医学の観点から深掘りしていく新シリーズ。読めば自分の身体に対する考えが180度変わるかもしれない。

「少しくらいなら大丈夫」と無理をしてしまうことがある。少し寝不足でも予定を入れる。疲れていても頑張る。本当は苦しいのに、「これくらい普通」と思ってしまう。身体が限界になって初めて、「無理をしていた」と気づく。東洋医学では、不調は突然起きるものではなく、小さな違和感の積み重ねだと考える。

幼少期、私はあまり身体が強い方ではなく、よく幼稚園や学校を休んでいた。私は高熱を出すと痙攣を起こしやすかったらしく、少しでも熱があると学校にいかせてもらえなかった。楽しみにしていた行事の前日に熱が出たときは、大泣きしていた記憶もある。当時は、病気は突然起きるものだと思っていた。

昨年、「一年中暑い」国に4カ月ほど滞在していた。そこは晴れか雨かの違いはあったが、毎日暑いことには変わらなかった。そんな中で暮らす人々は、天気や空気の小さな変化にとても敏感だった。私には半袖で心地いいくらいの気温だったが、「寒い」と言って上着を羽織る。夜には多くの人が厚めのパーカーを羽織っていた。また、道を歩いていたら突然立ち止まり、小さな鳴き声や足跡に反応して、遠くにいても生き物をすぐに見つけられる人もいた。いろいろな場面で、彼らが幼い頃から、自然の変化を身体で感じ取ってきたのがわかった。

雨が降ると自然と予定が変わる。何か約束をしていても、わざわざ「今日はやめよう」と連絡しなくても、なんとなく流れが変わっていく。「無理をしなくていい」そんな空気が、自然と共有されていた。そこで過ごしているうちに、私も「小さい違和感を無視しない」という感覚を少しずつ思い出していった。他人に対してだけではなく、自分に対して正直でいること。それが結局のところ、健康にとって一番大切なことなのかもしれないと思った。

病気はグラデーション

アーユルヴェーダでは、“健康な人”と、そうでない人の違いは「消化力」にあると考える。消化しきれず身体に残ったものは「アーマ(未消化物)」と呼ばれ、食べ物だけではなく、感情や疲れ、情報なども、処理しきれなければ、毒素として少しずつ身体に溜まる。

病気はある日突然起きるわけではない。最初は“なんとなく”違和感があっても、「まだ頑張れる」と思い込む。検査で正常値だったとしても、どこか不調を抱えている「やや健康」の人たちも少なくない。「不調」はよく“火災報知器”のようなものだと言われる。火事が起きたとき、警報音だけを止めても、火そのものが消えたわけではない。もちろん薬に助けられることもたくさんあるが、本当に大切なのは「なぜ燃えたのか」を見つめること。

外側には無限にストレスがある。そのストレス自体を止めることはできない。だからこそ、自分の中の小さなサインに気づけるようにすること。そうすると、崩れる前に戻ることもできるのかもしれない。

ワンポイントアドバイス:食べる瞑想(食事は心にも影響する)
何かを排除したり、逆にいつも同じものばかり食べたりしていないだろうか。大切なのは「何を」よりも「どのように」食べるか。
イライラしたり、焦って食事をすると、消化力が落ちる。食べるときは、満足感や軽快さを基準にして、ゆっくりよく噛んで味わうこと。そして、何より、感謝の気持ちで食べること。

続きはまた明日 ▶︎「整えるとは、“減らす”ことかも」

松本みなみ

執筆:松本奈美(まつもと・みなみ)
元Yoga&Fitness編集部。退職後、ヨガ修行と一人旅を兼ねて約2カ月間インドで生活し、『WORLD PEACE YOGA SCHOOL 200 Hour Yoga Teacher Training』講座修了。現地でアーユルヴェーダや自然療法に触れる。
インド体験記やインド医師への取材によるナチュロパシー(自然療法)特集、インドネシアのモリンガ特集などを執筆。
2024年より体質改善分野の執筆・制作に携わり、2025年からは体質改善講師としても活動を開始。東洋医学(アーユルヴェーダや中医学)の視点をもとに、「自分に戻るための体質改善」をテーマに活動を行っている

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