「最近体力が落ちてきた」「お腹周りが気になる」と、いきなりジョギングやハードな筋トレを始めようとしている50代の皆さん、ちょっと待ってください。
その運動、実は「更新されていない古いカーナビを使って、目的地に向かっている」ようなものかもしれません。今回は、15年間多くの方の身体と向き合ってきた専門家、わたくし前田修平の著書『50代から始める、動ける体のメンテナンス 健康しなやか筋トレ』から、運動をムダにしないための「身体のチェック方法」をご紹介します。
著書URL:amazon.co.jp/dp/4043300719/
現在地が分からないと「違和感」が積み重なる
運動が続かない、あるいは効果が出ない人に共通しているのは、「今の身体の状態や感覚=現在地」が分からないまま運動を始めていることです。
自分の状態を無視して他人と比較した理想を描いていると、現実とのギャップが埋まらず「やっぱり運動は苦手」と挫折してしまいます。現在地がわからないままトレーニングを続けることは、古いカーナビに頼って目的地に向かうのと同じです。
たった1ポーズで今の身体がわかる「バンザイスクワット」
まずは自分で身体を動かしてみて、自分の状態を知る必要があります。
そこでおすすめなのが、1ポーズで状態がわかる「バンザイスクワット」です。「できる」「できない」は考えず、まずは以下の姿勢をとってみてください。
- 足はこぶし1個分開いて立つ。
- 手のひらを正面に向け、両腕を耳の横に上げる。
- 背中のラインをまっすぐに保ち、ひざの向きをキープしたまま、太ももが水平になるように腰を下ろす。

簡単そうに見えるポーズですが、全身をうまく連動させないと正しくしゃがめません。特に、肩関節・背骨・股股関節の「3大関節」にひずみがあれば、必ずエラーが現れます。
あなたの体はどこが悲鳴を上げている?「動作エラー」をチェック
スマートフォンで動きを撮影してチェックするのがおすすめです。やってみると、思わぬエラーが起こっている人も多いはず。
| 腕が耳の横まで上がらない | 胸や背中の筋肉が硬く、筋力も不足している。 |
| かかとが浮いてしまう | ふくらはぎの柔軟性が低下している。 |
| ひざが内側に向いてしまう | おしりや内ももの筋力が不足し、足首も硬い。 |
| 背中が丸まってしまう | 背骨上部(胸椎)の柔軟性が不足している。 |
| 上体が大きく前に傾く | 足首が硬い |
鍛えておきたい3つの部位:肩甲骨、背骨、股関節
肩甲骨:YWエクササイズ
- 姿勢を正して座り、腕を天井方向に伸ばしてYの字にする。
- 肘を背中に寄せるようにして腕をWの字にする。
- それぞれ、5秒キープ×5回

背骨:デッドバグエクササイズ
- 仰向けになり、両手両足を天井方向に持ち上げる。
- 片手、片足を対角線上に伸ばす。左右違い違いに。
- 左右それぞれ、5秒キープ×5回

股関節:片足立ちエクササイズ
- 背筋を伸ばし、姿勢を正して立つ。
- 片膝を持ち上げ膝を直角に。バランスが取りづらいときは、つかまってもOK。
- 左右それぞれ、5秒キープ×5回

まとめ:「できない現実」を知るのがスタートライン
実際にやってみて、「思ったより動けない」「こんな動きもできないなんて」と嫌な現実に直面し、ショックを受けた方もいるかもしれません。
しかし、落ち込む必要はありません。思うように身体が動かない違和感や現実を知ることは、絶対に次のステップにつながります。自分の現在地を知ることこそが、自分だけの「身体の取り扱い説明書」を作る第一歩なのです。
まずは「バンザイスクワット」で自分の身体の現在地を正しく把握し、古いカーナビをアップデートすることから始めてみませんか?
■著者 まえだ・しゅうへい
フィットネストレーナー。鍼灸師および NASM-PES(全米スポーツ医学アカデミー認定パフォーマンス向上スペシャリスト)の資格を持つ。解剖学・運動生理学・神経筋機能の知見をもとに、年齢や体力に左右されず、安全かつ効果を実感できる筋トレ・セルフケア指導をYouTubeを中心におこなう。YouTubeチャンネル「前田のまいにちセルフケア!by GronG」の登録者は44万人(※2026年6月時点)株式会社Ultimate Life所属。著書に『50代から始める、動ける体のメンテナンス 衰えないための健康しなやか筋トレ』(KADOKAWA)がある。










