ボディメイクは「人生そのもの」。
丸山千歳(まるやま・ちとせ/32)さんがそう語る言葉には、減量の苦しさ、ステージで表現する喜び、そして競技に向き合う中で得られる充実感が込められていた。
そんな丸山さんと林篤裕(はやし・あつひろ/24)さんが『マッスルゲート東京ベイ大会』(2026年7月4日(土)浦安市文化会館)で挑んだのが、ミックスドペア。赤いコスチュームで「ヴァンパイア」の世界観を表現した2人のステージは、異なる競技歴や個性を融合させた、遊び心あふれる演技となった。ミックスドペアとは、フィギュアスケートの「りくりゅう」のような男女ペアで魅せる、ボディメイク競技のカテゴリーだ。その魅力とは?
【写真】丸山千歳さんと林篤裕さんの筋肉美とポージングで魅了するステージ写真

パワー女子×クラシックフィジーク男子
2人はゴールドジムの異なる店舗でトレーニングに励む仲間同士。SNSをきっかけに交流を深め、ミックスドペアの出場について「一番仲の良い人と出たほうが、良いものを作れるのでは」と考え、今回の挑戦につながった。
丸山さんは、なかやまきんに君のYouTube動画をきっかけにゴールドジムへ入会し、ボディメイクの世界へ。夜勤もあるホテルのフロントスタッフとして働きながら競技に取り組み、「パワービルダーになる」という目標を掲げ、パワーリフティングにも挑戦している。
一方、林さんは中学時代まで水泳に打ち込み、高校進学後に筋トレを開始。大学時代にボディメイク競技を知り、本格的に競技へ取り組み始めた。営業職として働きながら、2025年には東京ノービスボディビル選手権大会のクラシックフィジーク171cm以下級で優勝を果たしている。
8回の練習で磨いた一体感
今回、特に印象的だったのは、2人の息の合ったポーズの一体感だ。
ペア練習は8回と限られたが、レンタルスタジオやゴールドジムのスタジオエリアを活用し、完成度を高めていった。
「お互い職種も違い、仕事も多忙なので、最初の段階でフリーの流れを決めて各自練習しておいて、30分や1時間でも、会えるときに細かい部分を詰めていきました」
林さんがそう語るように、社会人として限られた時間をお互いやりくりし、2人だけのステージを練り上げた。
「好き」を詰め込んだ「ヴァンパイア」
選曲は丸山さんが好きな初音ミクの楽曲「ヴァンパイア」。赤を基調とした楽曲の世界観に合わせ、ビルパンやコスチュームも赤で統一。手作りの赤いペアピンを用意するなど、細部までこだわった。
ポージングには、林さんのクラシックフィジークの要素と、丸山さんが取り組んできたパワーリフティングの動きを融合。スクワットやベンチプレスの動作、吸血鬼をイメージしたポーズも盛り込み、2人らしい演技を完成させた。
2人だから広がる表現の可能性
ミックスドペアは、出場者が決して多いとはいえないカテゴリーだ。今回の大会でも、出場したのは丸山さんと林さんのペアのみだった。
そんなミックスドペアの魅力について尋ねると、丸山さんは「女子選手1人だけだとボリュームが足りないようなポーズも、2人で重ねてポージングすることで表現の幅が広がるところ」と語る。
また林さんも、「僕はクラシックフィジークもボディビルも出場しているんですけど、その2つにはない“良いスパイス”になるような競技。女子フィジークの選手と一緒に出ることで、表現力の幅を広げられるんじゃないかと思います」と、その魅力を語った。
競技への情熱、お互いの信頼、そして好きなものを表現する楽しさ。2人で創り上げたミックスドペアは、ボディメイクに新たな可能性を示すステージとなった。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
理工系出版社で数学書の編集者として勤務。ゴールドジムでボディメイクに励み、ボディビル競技に挑戦中。競技者としての経験を生かし、FITNESS LOVEでトレーニングやボディビルに関する取材・執筆を担当。徳島県徳島市出身、神奈川県大和市在住。
次ページ:丸山千歳さんと林篤裕さんの筋肉美とポージングで魅了するステージ写真
取材・文:久米大郎 撮影:北岡一浩










