「普通は弱くなると思うじゃないですか。逆に強くなりました」
そう笑顔で振り返るのは、「第10回 自衛隊プレミアムボディ」ヘビークラスで優勝した池田晃士(いけだ・こうし/49)さん。今年1月、パラシュート降下訓練中の事故で重傷を負いながらも、不屈の精神で復活。鍛え上げた肉体を披露し、ヘビークラス連覇を達成した。第1空挺団に所属する池田さんは、日頃から過酷な任務とトレーニングを両立し、日本トップクラスの肉体を維持している。
パラシュート降下訓練中に重傷
転機となったのは今年1月だった。
パラシュート降下訓練中の事故で肋骨を骨折。折れた肋骨が肺に刺さり、ドクターヘリで搬送されるほどの大怪我を負った。約1カ月の入院。医師からは全治6カ月と診断された。
競技生活への影響も心配されたが、池田さんは前を向いた。
「普通は筋力も落ちると思いますよね。でも、逆に伸びました」
その言葉通り、復帰後も驚異的なパフォーマンスを発揮する。
「大会のため」ではなく「任務のため」に鍛える
池田さんのトレーニング重量は並外れている。ヘックスバーデッドリフトは240kgを10回。ダンベルショルダープレスは片手50kg。さらに100kgを担いでジャンピングスクワットまで行う。
しかし池田さんは、それらをボディコンテストのために行っているわけではないという。
「目的は任務に必要な身体を作ることです。パワー、スピード、心肺機能。その延長線上に大会があります」
筋肥大は意識しない。まずは実戦で使える身体を作ることを最優先に考えている。
「大会は、自分がどこまでできているか確認する場ですね」
「毒をも食らえ」
食事に対する考え方も独特だ。減量だからといってほとんど糖質制限はしない。
「炭水化物を抜いたらダメです」
大会直前にも家系ラーメンを食べ、スープまで飲み干したという。さらにケンタッキーフライドチキンも口にした。
「ボディコンテストに出場する選手の多くはは鶏むね肉とブロッコリーだけみたいな減量ですけど、一番大事なのはトレーニング強度です」
そして最後に笑いながらこう締めくくった。
「たまにはジャンク、つまり毒を食らった方がいいですよ(笑)。食事制限に頼るのではなく普段から高強度のトレーニングで身体を作ることに目を向けるべきです」
49歳になっても進化は止まらない
49歳になった今も、自身の限界を更新し続けている。年齢を理由に守りに入ることはない。
「前回の自分を超えることだけを考えてトレーニングしています」
今年は大怪我という試練にも直面した。それでも競技人生を止めることなく、再び頂点へ戻ってきた。過酷な任務を担う第1空挺団の隊員として、そしてヘビークラス3連覇王者として。池田さんは、自らの身体で「強さとは何か」を体現し続けている。
取材:FITNESS LOVE編集部











