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「正しい姿勢」は十人十色?カイロプラクターが語る、筋トレ前に見直すべき身体の癖

名古屋を拠点に、カイロプラクター、スポーツトレーナーとして活動する庵原崇(いおはら・たかし/50)さん。『庵原 崇カイロプラクティックオフィス』で身体と向き合う一方、国内外での帯同活動も行っている。フィットネスやスポーツに取り組む人ほど、トレーニング内容や食事に意識が向きやすい。しかし庵原さんは、その前提として「背骨や骨盤の動き、日常生活の癖を見直すことが大切」だと語る。

庵原崇さん

写真中央、カイロプラクターの庵原崇さん

庵原さんは、もともと医療系の分野に興味を持っていたことからカイロプラクティックの道へと進んだ。カイロプラクティックとは何か。庵原さんは順序立ててこう説明する。

神経機能に影響がある背骨や骨盤の関節の動きを良くしてあげることが大切で、それらの動きが良くなることで、身体への負担が逃しやすくなります。また可動域も増えて、筋肉も伸び縮みしやすくなり血流も改善されるため、そうなると神経の働きも活性化し円滑になってきます。それらを行うための理想の施術の流れとしては、背骨や骨盤の関節の可動制限やお身体の状態を、触診や動診などの主観的な検査のみで判断するのではなく、赤外線サーモグラフィーなどの体表温度測定検査やレントゲン画像などにおける客観的なデータを用いての確認と状態の把握をしながら科学的根拠と医学的根拠に基づいて適応と禁忌の判断をしながら正確にアプローチしていくことが大切で、まさにそれこそが本来のカイロプラクティックなんですよね、当院ではこの施術の流れを採用しています」

レントゲン写真

レントゲン画像などで客観的なデータを用いての確認と状態の把握をしながら科学的根拠と医学的根拠に基づいて適応と禁忌の判断を行う

身体づくりやフィットネスに取り組む人にとって、姿勢や背骨、神経の働きを観ることはなぜ大切なのか。庵原さんは『最重要事項』と表現する。

「本来、背骨は一つひとつが動き、骨盤の関節も僅かながらではありますが動きがあります。しかし、日常生活での癖や同じ動作の繰り返しによって、身体の一部に負担が偏りやすく、実はほぼ100%の方に背骨や骨盤などの関節の可動制限が存在しています。その可動制限を放置したままでトレーニングやストレッチなどの運動をしてしまうと背骨や骨盤などの負担となり、やがては関節の変形や椎間板の変性などへとつながってしまうことから、大前提としてまずは背骨の一つひとつが、そして身体の土台となっている骨盤がしっかりと可動している、機能していることが大切となります」

庵原崇さん

『姿勢を正す』より、同じ体勢を続けないこと

トレーニングをしている人に多い身体の使い方の癖や姿勢の特徴について、庵原さんは「日常生活での過ごし方、その反復が自分でも気付かないうちに癖や姿勢の基盤となってしまう」と話す。

庵原崇さん

例えば、座り方、スマホを見る姿勢、仕事中の身体の使い方に歩き方、本人にとっては当たり前になっている動作の積み重ねが、身体の使い方に影響していることがある。

「当たり前のことを改めて見直すということが大切なんです。また、自分では良いと思っているルーティンが、実は身体にとって負担になっていることもあります」

筋トレやストレッチ、スポーツを頑張っているのに、身体の動きが悪い、疲れが抜けにくい、パフォーマンスが上がりにくいと感じる人もいる。その背景の一つとして、庵原さんは「余計な力が入ってしまっている状態、または入らざるを得ない状態」や「回復には必要不可欠となる質の良い睡眠の不足」なども挙げる。

特にデスクワークが多い人に向けては、「正しい姿勢を取ろう!」と意識し過ぎるよりも、同じ体勢を長く続けないことが大切だという。

「『姿勢を正すことが良い』と考えている方は多いですが、同じ体勢が続けば、どのような姿勢でいても身体の負担につながってしまいます。人それぞれに骨格構造や関節機能、それに伴う筋肉の状態なども異なるため、正しい姿勢、つまりはその方に適した姿勢というのは十人十色です」

つまり、背筋を伸ばして座れば全てが解決するわけではない。長時間同じ姿勢で固まらず、立つ、歩く、肩を回す、呼吸を整えるなど、小さな変化を入れていくことがセルフケアとしての現実的な対策になる。

庵原 崇カイロプラクティックオフィス

庵原さんのオフィスでは、提携医療機関で撮影した全身のレントゲン画像をもとに、身体の構造的な状態を確認するという。そのうえで、身体の機能的な状態を把握するために赤外線サーモグラフィー検査などの体表温度測定検査を行い、また必要に応じ神経学的検査、整形外科学検査、理学検査、姿勢検査、可動域検査などを行い、施術や指導の方針を決めていく。

「レントゲンを観るということは、身体の状態を知るということ。観ないということは、推測するということだと考えています」

庵原さんは、アスリートやフィットネス競技者にとっても、身体の状態を科学的な観点から、そして医学的な観点からしっかりと把握していくことは重要だと考えている。来院する目的は人によって異なるが、身体のバランス、可動域、コンディションづくり、症状の改善などを目的とする人が多いという。

一方で、アスリートやトレーニング愛好家に共通しやすい傾向として『やり過ぎてしまうこと』を挙げる。

「不安を解消するために、質より量になってしまう方もいます。まずはその大前提を改め、質を重視したプログラムで取り組んでいくことが望ましいのではないかと思います。自分一人で考え込まず、違う視点をもつトレーナーに意見を求めることが大切ですね」

庵原さん自身が普段から意識しているのは、特別な健康法ではなく『適度』である。

「健康という概念で考えれば、何事もバランスが大切かと思います。ただし、アスリートは金メダルを目指すために、ある意味で過度を余儀なくされることもあります。しかしながら過度であればあるほどに、それに見合ったケアも必要になります」

庵原さんが大切にしている言葉がある。

「適度は健康の始まり、過度は病気の始まり」

続けて庵原さんはこう話す。

「競技者にとって、限界に挑むことが必要なときもあります。ですが、何かを手に入れるために、何かを失う可能性もあります。だからこそ、自分にとっての適度と過度を見極める視点が必要になります。過度を防ぐためにも質を重視したプログラムで取り組んでいくことが大切になるんです」

庵原さんは「当たり前を疑うこと」「常識の中にも非常識があること」も大切にしている。トレーニングでも、健康法でも、世の中で良いとされていることが、全ての人に当てはまるとは限らない。身体の状態も、目的も、生活環境も一人ひとり違うからだ。

フィットネスや身体づくりを頑張る人にとって、努力は大切である。ただ、その努力が本当に今の自分に合っているのか。頑張り過ぎて、身体の声を見落としていないか。庵原さんの言葉は、トレーニングの量を増やす前に、まずは自分の身体を知り、そして質の高いトレーニングの方法を知ることの大切さを伝えている。

庵原 崇カイロプラクティックオフィス

 

庵原 崇カイロプラクティックオフィス

〒453-0015

愛知県名古屋市中村区椿町16-7 カジヤマBL5階

TEL:052-459-5252

ホームページ:https://www.iohara-chiro.jp/

店舗Instagram:https://www.instagram.com/iohara.chiro/?utm_source=ig_web_button_share_sheet

取材・文:柳瀬康宏 写真提供:庵原崇

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