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【筋肉痛緩和に生姜(ショウガ)?】筋肥大を妨げずに回復を早める抗炎症効果とおすすめの摂取タイミング|米フィットネス誌に学ぶ

ボディビルダーやフィジークの選手であれば筋肉痛が心地よいと思っている人の割合が高いかもしれないが、一般のトレーニング愛好者の中には、なんとか筋肉痛を緩和できないかと考えている人の方が多いかもしれない。

残念ながら、筋肉痛のメカニズムというのは、有力な学説はあるものの、明確な解明には至っていない。そのため、筋肉痛の緩和に効果があるのではないかといった食品や成分についての研究も数多く報告されているが、あくまで仮説の段階に過ぎないことは注意が必要だ。そんな研究対象の食品の中で注目されているのが「ショウガ」だ。

ショウガは抗炎症作用などが期待されており、筋肉痛の軽減やコンディショニングサポートに関してもいくつかの研究で示唆されている。そこで、本記事では米フィットネス誌で紹介されたショウガに関する興味深いトピックを詳しく解説する。

本記事は、海外のフィットネス事情やトレーニング文化に関する情報をもとに構成された翻訳・編集記事です。日本国内の事情や環境とは異なる部分も含まれます。

(IRONMAN2025年9月号「from IRONMAN USA」より一部Web向けに編集・加筆修正して転載)

ショウガvs.非ステロイド系抗炎症薬

ハーブやスパイスを活用した食事法やアプローチは、非ステロイド系抗炎症薬よりも胃腸トラブルなどのリスクが少ない可能性が指摘されている。特にショウガは胃腸のコンディショニングに役立つ食材として親しまれてきた。

もし、ショウガに炎症反応をやわらげる働きがあるとすれば、アスリートに適した食材と言えるのではないだろうか。

非ステロイド系抗炎症薬は、炎症を誘発するシクロオキシゲナーゼ2(別名COX-2)という酵素を抑制する作用がある。これにより、炎症による痛みを防ぐことができると考えられる。

しかし、COX-2を抑制する際に、もうひとつの酵素であるシクロオキシゲナーゼ1(別名COX-1)までもが阻害されてしまう。COX-1は胃腸粘膜の保護に寄与するため、COX-2と一緒にCOX-1も阻害されると、胃腸のトラブルも起きやすくなる。

ショウガvs.非ステロイド系抗炎症薬

ニューヨーク州リーマン・カレッジの健康科学科が発表した文献レビューによると、「多くのアスリートが利用してきたアドビルやアリーブなどの非ステロイド系抗炎症薬は、運動に対する適応反応を損なう可能性がある」と述べられている。

また、COXは筋肉の成長に重要な役割を果たしているという見解もあり、抗炎症薬の弊害が考えられる。

非ステロイド系抗炎症薬はCOX-2だけを選択的に遮断することはできないが、ショウガにはCOX-1を阻害せずにCOX-2だけを抑制する可能性があると研究で報告されている。

イリノイ大学の研究によると、COX-1に2種類の異なるショウガ化合物を添加したところ何の変化も見られなかった。ところが、炎症の原因であるCOX-2に対しては2種類のショウガ化合物が作用を示し、COX-2を抑制する傾向が見られたという。

ショウガで身体の違和感を和らげる

さまざまな体の不快感や痛みの軽減に対してショウガの軽減作用を確認した実験が、少なくとも8件見つかっている。これらの実験はいずれも被験者たちを無作為にグループ分けし、信頼性が高い二重盲検法を用いて行われていた。

また、『ストレングス&コンディショニング・リサーチ』誌によると、食料品店で手に入る粉末状のショウガであっても、臨床的に有効なコンディショニング素材として活用できる可能性があるようだ。

他の研究では、ショウガの摂取量が影響したためか他の研究結果よりもショウガの作用が顕著に示されたものもあった。『ニュートリション・ジャーナル』のメタ研究によると、ショウガやウコンのエキスを1日1500~2000mg摂取することで、より高い痛みの緩和サポート効果が得られるとされている。

長期摂取で筋肉痛緩和

炎症によって痛みが起きるのだとすれば、抗炎症作用を持つショウガに痛みを和らげる作用もあると考えられる。これを調査した研究では、痛みの種類によって結果は異なることが分かった。

例えば、急性の痛みに対してショウガは即効性がないため、痛みが起きてからショウガを摂っても、すぐに緩和されるわけではない。

『インターナショナルジャーナル・オブ・スポーツニュートリション&エクササイズ・メタボリズム(運動栄養学&運動代謝学の国際専門誌)』記載の研究では、サイクリング前に被験者がショウガを小さじ1杯摂取したところ、摂取しなかったグループと脚の筋肉痛の度合いに差は見られなかった。

一方、『フィトセラピー・リサーチ(植物を利用した治療法の研究誌)』の論文では、時間の経過に伴う筋肉痛増加を減衰させる可能性があると述べている。ある実験では、ショウガを被験者が5日間連続で摂取し、高強度のウエイトトレーニングを行ったところ、最大筋力が発揮できるまでの回復力が高まった結果が得られた。

これは、筋肉痛を緩和するスピードが速まり、筋肉の疲労回復や傷の修復が促されたためと考えられる。

どんな調理法でも効果あり

ショウガオールの量は、その形態によって変化する。『ジャーナル・オブ・エスノファーマコロジー(民族薬理学の専門誌)』によると、乾燥ショウガは生のショウガよりショウガオールを多く含んでいる。

ショウガオール含有量

乾燥ショウガ > 生ショウガ

したがって、ショウガオールをサプリメントにして摂るのが最も利便性が高いように思われるが、ショウガをまるごと摂ると複数の成分が相乗的に作用し、ショウガオールのみよりも効率性が高まる可能性がある。

さらに、ショウガは乾燥や加熱によってショウガオールの含有量が増えるという研究結果も報告されている。植物薬学の専門誌『フィトメディスン』に掲載されていた実験によると、ショウガオールを多く含む乾燥ショウガを加熱したところ、ショウガオールの含有量がさらに増加した。

一方で、ショウガの調理法は筋肉痛の緩和に影響しないようだ。ある実験では、重量挙げの選手を対象にショウガと筋肉痛の関係性が調査された。被験者を2つのグループに分け、グループ1は小さじ1杯の生のショウガを、グループ2は3時間煮たショウガを11日間摂取したところ、いずれのグループもウエイトトレーニングを行った翌日の筋肉痛が有意に軽減され、効果に差は見られなかったという。

ショウガにはジンゲロール、ジンゲジオール、ジンゲンジオンなどの化合物が含有されているが、ここでは主にショウガオールを取り上げている。

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