「どこに行くにも時間にギリギリのタイプで、家を出た瞬間から目的地まで猛ダッシュしていることが多いです。猛ダッシュで鍛えられたのか、いつの間にか学年で一番足が速くなっていたこともあります」
マッスルゲート大阪大会ドリームモデル158cm以下級で優勝した田中江梨(たなか・えり/38)さんは、大会の選手受付も最後の選手になることが多いらしい。
【写真】田中江梨さんの深紅のドレスから溢れんばかりの広背筋で魅せる全身
運動経験は特になかったという田中さんがトレーニングを始めたのは4年前の2020年7月。産後ダイエットのために通いはじめた。家から近いゴールドジム新神戸兵庫にはプールがあり、水泳やマシンで有酸素運動をして10kgほど体重を落とした。
その後、筋トレをしていると、ジムのトレーナーに「大会に向いているのでは?」と声をかけられたそうだ。「言われたときは完全に勘違いをしており、美少女コンテストみたいな感じを想像していました(笑)」
田中さんが初めて挑戦した大会は2021年6月サマー・スタイル・アワード。このときは本人曰く「ただのガリガリ体型だった」そうで、ここから増量と減量を繰り返して身体を作ってきた。その後、オープンして間もないゴールドジム心斎橋でのポージングレッスンでマッスルゲートを知ったそうだ。
「最初はビキニ選手向けのポージングレッスンを受けていましたが、やればやるほどただの見様見真似のような感じで、何も分かっていない自分に気がつきました。そこで、レギンスのシンプルなポージングを大会レベルまで習得し、それからドレスの優雅なポージングを学び、ビキニで再構築していこうと計画しました」
計画は順調に進んだ。昨年マッスルゲート京都大会のウーマンズレギンスで身長別、年齢別とも2位。そして、今年マッスルゲート大阪大会ドリームモデル身長別で優勝。
その1週間後にはJBBF大阪府ビキニフィットネスオープン大会の身長別で優勝した。
今後について聞くと、「明確な目標はないのですが、目標を決めたら、いつでも動ける準備をしています。10年以上アシュタンガヨガをやっており、“Do your practice and all is coming.”を心がけています」と返ってきた。
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取材:あまのともこ 撮影:上村倫代