6月1日(土)、愛媛県で開催された『マッスルゲート四国』のウーマンズウェルネスで優勝を飾った平田 歩(ひらた・あゆみ/39)さん。鍛え抜かれた肉体美を持つ彼女だが、トレーニング歴は3年目、競技歴は今年で2年目だという。
普段は、家庭科の非常勤講師として勤務している平田さん。数年前に勤めていた前職の長時間勤務で体調を崩し、パニック障害を発症してしまったという。身体と心を休めるため休職したものの、塞ぎ込む日が続いた。
「一緒にジムの見学へ行ってみんか?」
昔から身体を動かすことが好きだった平田さんに、そう声をかけたのはご主人。初めてジムの扉を開けたとき、ズラリと並ぶマシンが目に入った。「遊園地みたいで楽しそう!」。平田さんが最初に抱いた感想だった。
「入会してからは夢中でトレーニングをするようになりました。同じジムに通っているフィジーク選手と、その合トレ仲間の方が『ちゃんと鍛えたら、めっちゃいい身体になるよ』と声をかけてくれたんです。その日を境に合トレをするようになって、背中から変わり始めました」
のめり込むようにトレーニングをしていた平田さんだったが、一つだけ避けている部位があった。それは脚。「20歳のときに、階段から落ちて膝を痛めてしまいました。筋トレは好きだけど、膝が悪いからという理由で脚トレを避けてきたんです。なので、上半身と下半身のギャップがすごくて。THEチキンレッグの脚でした」
それでも下半身を重視するウェルネスに挑戦したのは、「弱点部位の脚を強化するきっかけになると思った」という理由から。大会前は週に1日のパーソナルに通いつつ、週5日は24時間ジムでトレーニング。パーソナルが終わった後にジムへ行き、復習を兼ねて身体に叩き込むという。
脚を鍛え上げるために行っている種目は、ハックスクワット、フリースクワット、スミスマシンでのスクワット、レッグエクステンション、レッグカール、アブダクション。膝には考慮しながらも、トレーニングは重量とセット数を求めて行うスタンスだ。
「基本的に10セットで組んでいて、自分で10レップできたら重量を上げていき、逆に5レップできなければ下げます。得意なハックスクワットは120kgからスタートし、150kgを5セット。かなり疲労が溜まってくるので、そのあとは様子を見ながら落としていきます。仲間と一緒に合トレしていると、苦しくても気力でラストの数発を上げることができるんですよね(笑)」
自身でチキンレッグと評していた脚も、トレーニングをするうちに少しずつ育っているという。今後は、インパクトのある上半身も生かしてボディフィットネスにも挑戦するという平田さん。彼女が魅せる肉体美に期待したい。
取材:小笠拡子 撮影:北岡一浩