尻トレ第一人者・岡部友が自重でできる「男の尻トレ」を伝授　あまりのキツさに汗だく、疲労困憊になる男たち

お尻のトレーニングといえば女性が中心というイメージがあるが、最近では男性にもその重要性が認識されつつある。腰痛の予防やスポーツパフォーマンスの向上、さらには全身の安定性を高めるためにも、お尻の強化は欠かせない。

2月24日（月・祝）、スパイスアップフィットネスNeo梅田店で「男性限定の尻トレイベント」が開催された。普段は女性専用のジムであるスパイスアップフィットネスが、この日だけは男性のために開放され、お尻トレーニングの先駆者、岡部友さんをはじめとするプロトレーナー3名が指導にあたった。イベント前半の1時間は「パワーヒップネス(※)」で日常で眠っているお尻に刺激を入れて目覚めさせ、イベント後半は専用のマシンを使ったグループトレーニングの構成。一見すると軽めの運動のように思える。しかし、実際に体験してみると、その負荷は想像を超えるものだった。

※ 専用のグルーツバンドを使用しながら音楽に合わせて楽しくエクササイズを行い、効果的に「ヒップアップ」が目指せる「美尻」プログラム。

【写真】尻トレ第一人者・岡部友による最新マシン美尻トレーニング

イベント前半『パワーヒップネス』でお尻を目覚めさせる‼︎

第1部では計5種目を実施。

■モンスターウォーク
専用バンドを膝上と足先に巻き、前後左右に歩く動作を繰り返す。一見すると単純な動作ながら、お尻にかかる負荷は想像以上に強く、動作を続けるうちに下半身がじわじわと重くなっていくのを感じる。お尻全体への刺激が強く、動作が進むにつれて普段あまり意識しないお尻の筋肉が熱を持ち始める。開始早々、動きが鈍くなる参加者も見られた。

■スクワット
スクワットなら慣れているはずの男性陣も、バンドを巻いたスクワットでは一気に苦戦。バンドの抵抗が加わることで、お尻のストレッチと収縮を強く感じることになる。動作の中で最も重要なのは「下ろすときにしっかりお尻をストレッチさせること」。いつものスクワットとは異なり、股関節の動きを意識することで、大殿筋への負荷を最大限に高めることができる。フォームの調整がうまくいくと、お尻がしっかり使えている感覚が得られるが、それと同時に普段のトレーニングでは得られないほどの強い刺激を感じるようになる。

■ヒップレイズ
ヒップスラストなどのブリッジ系種目の基礎となる動作。お尻をしっかり収縮させながら、身体を持ち上げるシンプルな動作だが、正しいフォームで行うと負荷が格段に増す。「裏ももに効く……？」という参加者もいたが、踵の位置や骨盤の動きを調整することで、お尻の収縮を最大限に引き出せるように指導が行われた。セットを重ねるごとに、参加者たちのお尻が上がらなくなり、普段がっつり筋トレをしている参加者も顔を歪めはじめた。

■片足ルーマニアンデッドリフト
バランスを取りながら股関節を動かすこの種目は、参加者にとって最も難易度が高かった。片足で立ちながら、もう片方の足を斜め後ろに置き、お尻とハムストリングスをしっかり伸ばす。最初はスムーズに動かせていた参加者も、回数を重ねるごとにコントロールが難しくなり、上体がぐらつく様子が見られた。細かなフォーム修正を加えながら、狙った筋肉に正しく刺激が入るよう調整していく。終盤には、お尻の筋肉がしっかり疲労しているのを実感し、『うわぁ！！』『キッツ！』という声も聞かれた。

■プランク
最後は、体幹(腹横筋)とお尻を同時に鍛えるプランク系の種目。『プランクアブダクション（横に開く）』『プランクレッグレイズ（足を上げる）』『プランクジャンピングジャック（開閉ジャンプ）』の3種目を実施。すでに疲労が蓄積された状態での体幹トレーニングは、さらに厳しさを増す。特に、ジャンピングジャックの動作では全身が揺れ、バランスを取るのが難しくなっている参加者も多かった。

すべてのメニューを終え、汗だくになりながらも達成感のある表情を見せる参加者たち。だが、ここでトレーナーからの一言が会場に響く。

「これはウォーミングアップです！本番はこれからです！！」

どよめく男たち。パワーヒップネスはあくまで導入。次なるステージは、尻トレ専用マシンを使った本格的なトレーニングが待っている。すでに疲労困憊のお尻が、次のメニューに耐えられるのか……？後半戦へ続く。

取材・撮影：柳瀬康宏　ポートレート写真：中原義史