マッスルゲート選手 コンテスト

“メスゴリラ”は今では褒め言葉! 45歳、コンプレックスを強みに変えて掴んだ優勝

4月26日、品川区総合区民会館で『マッスルゲート東京大会』が開催された。ボディフィットネス一般の部で見事に優勝を手にしたのは、伊藤清香(いとう・さやか/45)さんだった。

【写真】コンプレックスを武器に挑んだ伊藤清香さんのボディ!

「筋トレを始める前、体幹に対して腕・脚が太く、“メスゴリラ”と呼ばれたことがあります。身長160cm、体重52kgで減量の必要性も感じておらず、自分はそういう体質だと諦めていました」と伊藤さんは振り返る。

筋トレを始めたきっかけは、趣味の登山とスキーのパフォーマンス向上のためだったという。

「当初はボディメイクに興味はなく、ただ筋力をつけたいだけでした。大会出場も、トレーナーさんに半年ほど勧められ続けて、やっとレギンスなら抵抗が少ないと出場を決めました」

昨年7月、初出場の大会ではレギンスフィットネス部門で3位入賞。悔しさから次なる挑戦を決意するも、ビキニへの挑戦には露出への抵抗があった。

「そんなときに父が他界したんです。“いつかやる”は今やるべきだ。と考えが変わりました。45歳で新しいことに挑戦するのは勇気がいりましたが、本当にやって良かった。毎日が充実していて、父に感謝しています」

大会に向けたトレーニングは、週5日の5分割法で脚、肩、背中、お尻、胸をそれぞれ鍛えるスタイルだという。

「3年目になっても“効かせる感覚”は分からないまま。でもその分、重量・回数・可動域を意識して丁寧に取り組みました」

日常のケアにも工夫を凝らしていた。

「足の小指が寝指気味でふくらはぎの外側が張りやすかったため、サポーターを常用。徐々に改善され、スクワット時の接地感覚が良くなりました」

減量期の食事も徹底していたという。

「朝6時から18時半まで細かく食事時間を分け、白米・オートミール・鶏胸肉・焼き魚などを中心に組み立て、血糖値コントロールにも配慮していました。空腹を防ぐには血糖値の急激な上下を避けることが大事。さつまいもやイヌリンを取り入れて、空腹感を抑える工夫をしました。減量中でも“いっぱい食べていっぱい動く”がモットーです。糖質はしっかり摂るようにしています」

その努力の結果、今大会で優勝。ジャパンカップのクオリファイを獲得するという喜びにつながったのだ。

「学生時代から体育会系でしたが、全国大会に出たことは一度もありませんでした。だから今回のクオリファイは本当にうれしいです。今後はジャパンカップで6位入賞を目標にしています!」

そして最後に、こんな言葉で締めくくってくれた。

「“筋肉で太くなった身体”はカッコいい。“減量で小さくなった胸”は努力の証。以前はコンプレックスだった腕・脚が、今では筋肉がついて強みになりました。メスゴリラ? 今の私には、それは褒め言葉です!」

『“いつかやる”は今やるべき』という言葉で、過去の悩みやコンプレックスを武器に変えた伊藤さん。一歩踏みだし挑戦する素晴らしさを教えてくれているのではないだろうか。

【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。

執筆者:佐藤佑樹
主にFITNESS LOVEで執筆中。自身も大会へ出場するなどボディメイクに励んでいる。料理も好きで、いかに鶏胸肉を美味しく食べるかを研究中。

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取材:佐藤佑樹 写真提供:伊藤清香

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