7月12日(土)、仙台電力ホールで開催された『マッスルゲート仙台大会』。その大会でドリームモデル50歳以上の部で優勝、ドリームモデル163㎝超級、ビキニフィットネスマスターズ35歳以上の2部門で2位となった秋山恵美(あきやま・けいみ/52)さん。
マラソンランナーが高重量を扱うトレーニーへ!
もともとはマラソンに打ち込むランナーで、フルマラソンの自己ベストは3時間46分のサブ4(※)。しかし、コロナ禍で次々と大会が中止になり、密を避けるためにトレイルランニングに挑戦するようになったそうだ。
(※)42.195kmのフルマラソンを4時間以内に完走すること
「登山がベースのトレランで、自分の筋力不足を痛感。その課題を補うためにジムへ通い始めたんです」
ジム通いをきっかけにボディコンテストの扉を開いた秋山さん。
「ジムで出会ったのが、当時学生アルバイトでJBBF選手のトレーナーでした。減量や大会への思いを語る姿に次第に引き込まれ、ジムの壁に貼られていた『マッスルゲート』のポスターを見て、“チャレンジしてみようかな”って思ったのがきっかけです」
秋山さんのトレーニングは、仕事と家庭の両立の中で効率を重視した内容だった。
「今通っているのは市民体育館です。体育館では高重量を扱い、自宅では可変式ダンベルとインクラインベンチを使った宅トレ。家事の合間にトレーニングをこなし、体育館への移動は徒歩で有酸素運動も兼ねていました。ポージング練習は朝、家族を送り出した後のわずかな時間で。また、オフィスの椅子にバランスディスクを置いて、仕事中も体幹トレを“ながら”でやっていました」
県外でのポージングレッスンに出かけるときは、ついでにピラティスやストレッチのクラス、ジムのビジター利用も予定に詰め込み、気分転換と成長を両立させていたそうだ。
「食事管理は当初、カロリー計算アプリを使用していましたが、途中から面倒でやめてしまいました。しかし、一時期でもアプリでPFCやカロリーを見える化したことにより、普段いかに脂質や塩分を取りすぎていたかが分かったのは良かったと思います」
現在はアプリに頼らず、自分で判断しながら食事を調整しているという。
「大会が決まってからは、習慣にしていたジョギングは控え、有酸素運動はウォーキングをメインに。減量が捗らないなと感じた時は、30~60分程度のジョグで汗をかきました。思い切って走ることで、減量期のいいリフレッシュにもなりました」
自分自身と向き合い、効率を考えたことが、今回の素晴らしい結果へとつながったのだろう。
「ドリームモデルは大会を重ねるたびに洗練された選手の皆さんが臨まれるので、その中でトータルパッケージでの評価をいただけたことは素直にうれしく、自信にもなりました!」
大会を重ねるたびに、選手の完成度はどんどん上がっていく。そんな中での受賞ということで自信も得られたという。
「現在月1のパーソナルでお世話になっているトレーナーさんが“筋トレの目的は機能改善”だと。ボディメイクも機能改善も叶えられる筋トレに夢中です!」
大会を目指して努力する過程こそが、生きがいや身体機能の向上につながっているという秋山さん。周囲への感謝を忘れない。
「ランニング、筋トレ、ボディメイクの大会出場は周囲の方々や家族の応援や理解があってこその趣味なので、今後も感謝の気持ちを忘れず、自分なりの高みを目指して続けていければと思います」
現状に甘えるのではなく、すでに次の目標へと歩み始めている秋山さん。秋山さんの挑戦は、年齢や環境を理由に立ち止まっている人の背中を、そっと押してくれるのではないだろうか。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:佐藤佑樹 撮影:北岡一浩
執筆者:佐藤佑樹
主にFITNESS LOVEで執筆中。自身も大会へ出場するなどボディメイクに励んでいる。料理も好きで、いかに鶏胸肉を美味しく食べるかを研究している。