9月14日(日)、安城市民会館で行われた『マッスルゲート愛知大会』のボディフィットネス一般の部で優勝を手にした、伊藤恵子(いとう・けいこ/54)さん。伊藤さんは、幼少期から体型にコンプレックスを抱えていたという。
付き纏う体型コンプレックス
「子どものころは食が細く、幼稚園の健康診断で『栄養失調』と言われて担任の先生が驚いたほど。給食では『前の席の子が一口食べたら、あなたも一口食べなさい』と指導され、食事は苦痛な時間でした。小学校のころも痩せすぎて『ホネホネロック』とからかわれることもありました。お腹が空かないのが当たり前で、体型へのコンプレックスは幼いころから続いていたんです」
成長とともに食欲も出てきたが、結婚後も体型への悩みは尽きなかった。
「中学でテニス部に入ると食欲が出て人並みに。結婚後は夫から『お尻が垂れている』と言われ続け、それも事実だと受け止めていました。ただ、子どもが大学に入り、ふと鏡を見たとき、自分のウエストに浮き輪がついているのを見てショックを受け、ダイエットを始めようと決意しました」
その後、SNSを通じてマッスルゲートを知り、大会出場を決意。
「いつものウェアにスニーカーで出られる初心者向けのカテゴリーがあると知って、思い切ってエントリーしました。4年前のことです。1年目、2年目はレギンスカテゴリーで出場し、昨年からはボディフィットネスに挑戦しています」
自分の身体と向き合い優勝へ
今回の大会では、特に脚の強化に注力した。
「弱点の脚は、前側と後ろ側を2日間に分けて鍛えました。特にレッグエクステンションは、以前は“ただ痛いだけで嫌い”な種目でしたが、効いている感覚を掴めるようになり、今では好きな種目の一つです。さらに、ポージングに必要な柔軟性を養うため、ストレッチも意識的に取り入れました」
食事管理においても工夫を重ねた。
「オフ期は甘めですが、減量期はアプリでしっかり管理しました。特別な方法ではなく、白米と鶏胸肉といったシンプルな食事が一番除脂肪に効果的だと感じます。ただ、自分に甘い部分もあって、アルコールやアイスクリームは大会直前まで食べていましたね(笑)」
ハードなトレーニングに加え、身体のケアやストレスを溜めない工夫が、今回の優勝へとつながった。
「ボディメイクを始めてからは、O脚改善のために『脚を組まない』など、姿勢にも気を配るようになりました。食事管理や生活習慣も含め、自分と向き合う時間が確実に増えたと感じています」
そして、伊藤さんはこれからも挑戦を続けていく。
「今後の目標は全身の筋量アップ、特に脚の四頭筋の強化です。54歳になり、筋肉がこれから増えていくのか不安もありますが、トレーニングが大好きなので、いつかはJBBFの舞台に立てるような選手になりたいと思っています」
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:佐藤佑樹 撮影:上村倫代
執筆者:佐藤佑樹
主にFITNESS LOVEで執筆中。自身も大会へ出場するなどボディメイクに励んでいる。料理も好きで、いかに鶏胸肉を美味しく食べるかを研究している。