日常的に筋トレをしていても、「コンテスト」という言葉にハードルの高さを感じる人は多い。特に年齢を重ねるほど、その壁は高く感じられる。
「今はたくさんの団体がコンテストを主催しています。40代・50代から挑戦するなら、まず出たい団体を選び、そのコンセプトに合わせて身体をどう変えていけばいいかを考えるのが大切だと思います」
今年で55歳となる、ネイリストの山岸寿美子(やまぎし・すみこ)さんは、50歳からコンテストに挑戦。53歳からビキニモデルとして上位入賞を重ねる。山岸さんは、 9月20日(土)の『サマースタイルアワード2025東海帝王予選大会』では、ビキニモデルマスターズ部門(37歳以上)で3位入賞を果たした。2度目の結婚式を機にトレーニングを始め、10kgのダイエットに成功。年々、進化する肉体で、「一生ビキニが似合うおばあちゃん」を目標とする山岸さんに、ミドルエイジからの肉体造形とコンテスト挑戦の楽しさを聞いた。
基本の筋トレとメリハリある食事
「どんなカテゴリーを目指す上でも、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトがボディメイクの基本だと思います」
この「BIG 3」と呼ばれる王道種目は、見た目の美しさを作るだけではなく、体力向上にも効果的だ。山岸さんは、長年悩まされた慢性的な肩こりや、少し歩くだけで感じていた足の疲れが解消されたという。
食事は、「平日を節制・休日は楽しむ」スタイルをとる。平日は、サニーレタス、ブロッコリー、トマト、キノコ類などのたっぷりの野菜と、鶏胸肉、牛ヒレ肉、サーモン、タラ、サバ缶など多彩なタンパク質を摂取。ロウカット玄米でカロリーをカットし、グルテンフリーを意識。
「その代わり、オフシーズンや休日には趣味の旅行で食事とお酒を存分に楽しんでいます。(減量や出場のプレッシャーなどに対して)メンタルはもともと強い方ですが、メリハリをつけるために大会と旅行を交互にすることでより楽しめています」
自分に合ったペースでボディメイクを楽しむ
変わりゆくライフステージに合わせて、心身に過剰な負担を強いないことも、ボディメイクを続けられるコツのようだ。
「ネイルの仕事は年齢的に負担が増してきたので減らし、忙しいときは無理せず身体を休めます。子育てが終わった今は、時間があるときにトレーニングするルーティンです」
ハードな生活が落ち着いたなかでも太りにくい身体を保つため、最近は、毎日1万歩を歩く習慣を始めたという。
「今までこんなに歩いた経験はありませんが、大幅な体重増加を抑えられると確信したので、ずっと続けられたらと思います」
真剣に取り組みつつも、無理をしすぎない距離感を保つ。柔軟な姿勢で臨むボディメイクやコンテストは、第2の人生を楽しむための新たな活力源としても機能するようだ。
取材:にしかわ花 撮影:上村倫代
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』『Womans'SHAPE』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーとエクサイズでボディメイクに奮闘している。
-サマスタ選手, コンテスト
-サマースタイルアワード, SSA