ボディビルという競技は歴史が長い。21世紀前までは男性・女性ともにどこまで筋肉を大きくできて、より美しい肉体を求めることができるかが結果に繋がっていた。2012年以降の現代では、フィットネス競技(ボディビル、女子フィジーク、クラシックフィジーク以外のボディメイク競技)が新設されて、メンズフィジーク、ミスボディフィットネス(フィギュア)、ビキニフィットネス、フィットネスなどの競技が始まり、国内においては2020年よりイブニングドレスとスイムスーツの着用により競われる『フィットモデル』が新設されるなど、今やボディビル競技よりも競技人口が多く、盛んに行われている。そのフィットネス競技の中でもミスボディフィットネスは、ボディビル競技(女子フィジーク)と両立して取り組む方も多く、ポージングは規定4ポーズのクォーターターンとLウォークのみながら、出場選手が年々増加している。今回紹介するのは、昨年のジャパンオープン選手権ボディフィットネスにおいて6位入賞を果たした、入賞者最年少にしてバルキーな近藤風花選手を取材した。(月刊ボディビルディング2022年1月号から修正引用)
取材:月刊ボディビルディング編集部 撮影:中島康介
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「脚トレから逃げずにいられたら他の部位も頑張れるんじゃないかなと思います」
ジムに通い出したのは20歳ころで、最初はダイエット目的で健康的に引き締まった身体を目指そうと軽いトレーニングを上半身の日(背中と胸を少し)・下半身の日(脚とお尻)と2分割で週3程度の頻度でジムに通っていました。腕、肩は一切鍛えておらず、胸も男性らしくなるのが嫌で当時はほとんどスキップしていました。トレーニングメニューは地元のジムで教えていただいた基本的な種目を3セットずつ、計2~3種目くらいを目安に行っていました。当時は川口市にあるジムに2年ほど通っていました。
最初こそヒップアップや体型維持のためだけにトレーニングをしていたのですが、コロナの影響でジムに通えなくなり、さまざまなことが制限される中、家でトレーニングをするようになってから純粋に身体を鍛えて大きくすることが楽しくなり、そこから全身を鍛えるようになりました。大きく強くなりたい気持ちでいっぱいで、もっと良い環境でトレーニングがしたいと思い、電車の定期券を作り、近所のジムより距離が離れたゴールドジムさいたまスーパーアリーナでトレーニングをするようになりました。
大会を目指すきっかけになったのは、池袋にある『筋肉女子』という筋肉が好きな女の子が店員さんのガールズバーでお会いした前田恵利さんがビキニフィットネスに出場しており、こんなキラキラビキニを着て堂々としててなんてかっこいいんだ!!と憧れの気持ちから大会出場を決めました。どのカテゴリーでも、積み上げた努力の結果を堂々と発揮している女性のかっこよさに感動し、自分もこんな風になれたらなと思っていました。それでも当初は自分に自信がなかったため、大会に出場するのを悩んでいましたが、一歩踏み出してチャレンジできたことは本当に良かったと思います。
現在のトレーニングは①四頭筋②ハムストリング&殿筋③胸④背中⑤肩⑥腕⑦オフの順でルーティーンを回しており、身体の様子を見ながらオフを先に持ってきてルーティーンをずらす場合もあります。弱点が無い身体を作ることが目標ですが、特に熱意を持って行っている部位は脚です。個人差はあるかもしれませんが、私にとっては一番きつい部位で、毎回最後のメニューに組み込んでいるレッグエクステンションで泣きそうになってしまいますが、終わった後は自分に負けなかったぞ!と清々しい気持ちになるので、つい夢中になります。根性勝負みたいなところもあり、脚トレから逃げずにいられたら他の部位も逃げずに頑張れるんじゃないかなと思うので、毎週ビビりまくる自分との闘いです。
トレーニングの知識は豊富ではないですが、どの部位でも狙った対象部位がちゃんと動いているかどうかと、呼吸のテンポを乱さないこと、最後の1レップまで追い込むことを常に意識しながらトレーニングをしています。今までは感覚で行っていたトレーニングも今ではノートを付けるようにし、前週の重量、レップ数などを毎週更新する気持ちで行っています。全身を鍛えるくらいトレーニングに夢中になったきっかけは、YouTubeの木澤大祐選手の動画で、種目やルーティーン、呼吸の重要性なども動画から学んだことが理由です。自分は不器用で要領も悪いため、難しいことはせず基本的なことをしっかりこなすように心がけています。
今年は女子フィジーク、ミスボディフィットネス、杉中一輝選手とミックスドペアに出場したいと思っており、女子フィジーク選手のステージングやポージングを動画で観て勉強しています。また、トレーニングの強度は少しずつ確実に上げていき、たくさんご飯を食べて身体を大きくしたいと思っています。また、今後は新たな土地で生活とトレーニングとの両立を頑張りたいなと思います。まだまだ駆け出しの身なので、身体だけではなく、精神的にも成長できるように大会出場も含め色んな経験を積んでいきたいです。
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