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エンジニアとして「12時間勤務、休みなし」のハードワークでもボディビル日本大会優勝!芸術的な筋肉美を見よ

永田大智選手「12時間勤務、休みなし」ながらハイレベルな戦いで見事優勝に輝いた永田大智(ながた・だいち/31)選手。12月10日(日)に浦安市文化会館で開催されたゴールドジムJAPAN CUPのボディビル75kg以下級で優勝、クラシックフィジーク175㎝以下級で2位という好成績を残した。普段は投資会社勤務のエンジニアとして忙しく働く永田選手の、多忙な日々でも成長をし続けるトレーニング法とは。

【写真】永田大智選手の芸術的な筋肉美

「個人的には思うようにトレーニングができず不安なシーズンでしたが、評価として“良くなっている”と言っていただけて結果も出せ、ほっとしています。元々、国内外問わず出張も多く、一日の勤務が12時間以上勤務かつ、土日も勤務の多忙な仕事に従事しているのですが、今年は特に全く休みが取れず、さらに1週間全くトレーニングできない状態が月一である環境でした。なので本来は5分割で5日やりたいところを実質週3がやっとというなかで、改めてメニューを組み直し週3日でも対応できるよう切り替え、その代わり1回、1セット、1レップを“絶対に追い込みきる”という意志でやりました」

永田選手が限界まで身体を追い込む手段として採用しているのは「レスト法」、「ドロップセット」、「BIG3を入れたコンパウンド種目からのストレッチ種目」。ボディメイクにおいては、非常にオーソドックスな方法である。

「基本じゃないかと思われるかもしれませんが、基礎こそ堅実に、忠実にやり続けることこそが僕は最短経路だと思っています」

「ケガの予防のために重量を追うことはせず、5〜8回できる重量、たとえば自分の場合ですとベンチプレスなら110kgを限界からレストポーズ(インターバルではなく更なる挙上のために行うセット中の短い休息)を入れて追い込み、最後のセットはドロップ(セット毎に重量を下げる)して極限まで挙げる。このありふれた基礎こそが、筋肥大において原点であり頂点であると思います。そして、不規則なスケジュールでトレーニングの頻度が確保できない分、“できるときは必ずオールアウト(筋肉を完全に疲労させた状態)まで”を徹底しています。中途半端で終わらせるということは絶対にしません」

強固な意志による厳格なトレーニング。それでも、今年のバルクアップに関して「自身では実感がなかったどころか落ちている不安すらあった」と語る。

「マッスルゲート市川大会、東京大会、ゴールドジムJAPAN CUPともにボディビルでも優勝できたことで、伸ばせているんだとやっと思えました。要因としては、やはりトレーニングの基礎を徹底したことも勿論ですが、今年はオフに6kgしか体重を増やさなかったので減量の過酷さが減り、減量末期でも使用重量がほぼ落ちず、強度を維持できたこともあるかと思います」

「昨年は、スクワットでいくと増量期と大会直前で20kgは使用重量が変わる状態だったので、筋量を保ったまま仕上げることができたという経験は今後に活かせると感じます。あえて増量幅を減らそうとしたわけではなく、本当は夏にも大会に出る予定だったため増えすぎないようにしていた、という結果論ではありますが、それが新たな成長に繋がった形ですね」

永田選手のバランスのとれたボディは審査員も例年、高評価を寄せる。だが、本人としては「特に意識して工夫しているわけではなく、実はむしろコンプレックスだ」という。

「バランスが良いと言われるのは、裏を返せば“圧倒的な強みとなる部位がない”という風にも取れてしまうので(笑)。ただ、そこは逆に“極端な弱点がない”という長所でもあるので活かして質を上げ、密度、厚みともにさらに隙のない身体づくりに繋げていきたいです」

今後の目標について、来年は国内最大のボディメイク競技大会を主催するJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)にチャレンジしたいと意欲をみせる。

「今年も選手登録はしていたんですが仕事で諦めざるをえなかったので、来年こそは出場したいです。クラシックフィジークとボディビルで出場予定で、まずは日本クラシックフィジーク選手権で決勝に残りたい。個人としてはクラシックが好きで評価としても適性があると感じているのですが、やはりボディメイクをしているのであれば最高峰として位置付けられるボディビルでも結果を残したいという気持ちがあります。ですので、スケジュールとの戦いにはなりますが今までどおり堅実に、着実な成長を遂げて新たなステージで戦っていきたいと思います」

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取材:にしかわ花 撮影:中島康介

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