ダイエットをしたが、上手く痩せられなかったという経験をしたという人もいるだろう。2023年JBBFオールジャパンマスターズチャンピオンシップスのビキニフィットネス40歳以上45歳未満160cm以下級で6位入賞を果たした佐々木友香(ささき・ともか/44)さんはかつてはそんな悩みを抱えた女性だった。しかし、今では正面から見た広背筋から大胸筋までのラインが強みの国内トップクラスのビキニフィットネス選手にまで成長した。
ビキニフィットネスと出会って劇的に身体が良くなった
有酸素運動を中心としたダイエットをしたものの下半身の脂肪がほとんど落ちず、鏡を見ては自分にガッカリという状態を繰り返していた佐々木さんだったが、筋トレを取り入れたことで身体に変化が訪れる。
「毎日4kmのマラソンをしていた頃は目に見える変化がなかったのですが、3年前に筋トレを本格的に取り入れるようになって身体にメリハリが出てきました」
目標を持つと人間は変わるというが、佐々木さんはビキニフィットネスという競技と出会って劇的に身体が良くなったと振り返る。
「競技に向けたトレーニングを1年半ほど前に始めました。筋トレを始めた当初は気になる部位の肩とお尻だけを鍛えていたのですが、競技を目指すようになって全身をきちんと鍛えるようになりました」
中でもトレーニングで進化した部位は“広背筋”だという。
「はみ出るように張り出した広背筋がお気に入りの部位になりました。広背筋が張り出すようになってから、バストも際立つようになりましたし、全身鍛えることの重要性を痛感しました」
ビキニフィットネスの岩手オープン選手権でいきなりの優勝。しかし佐々木さんは自分自身と向き合っていた。
「下半身が絞りきれなかったことが悔しかったです。もっといい身体になりたいと思いました」
競技者としてステージに立つことで進化を遂げる佐々木さんを周りが応援するようになったことでさらなる成長を得られたと振り返る。
「自分のために頑張ろうと思っていましたが、家族や周りが応援してくれていることに気がついて益々頑張ろうと思いました。じつは転職した影響で精神的にも辛い時期があって、何度も倒れたのですが、それでも競技を諦めずに頑張ろうと思えたのは周りの支えがあったからです」
筋トレはおばあちゃんになっても継続したい
佐々木さんの出身校は花巻東高校で、大谷翔平選手の母校。大谷さんにならって“憧れるのをやめた”という。
「大谷選手にならってトップ選手に憧れるのをやめました。自分自身がライバルです」
42歳からのビキニフィットネスへの挑戦は決して早くはない。
「何を始めるにも遅いということはない、というのを証明する一人になりたいです。私はビキニフィットネスをできる限り続けたいですし、筋トレはおばあちゃんになっても継続したいです」
昨年は年齢別日本一を決めるオールジャパンマスターズで6位入賞と大躍進を遂げた佐々木さんだったが、その会場でかけがえのない思い出ができたという。
「表彰式が終わってロビーに行くと、大学生になる娘が『お母さん、かっこ良かったよ』と駆け寄ってきてくれたのがとても嬉しかったです。応援してくれる家族のためにももっと頑張ろうと思えました」
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介 写真提供:佐々木友香