「海で水着を着るのも抵抗があって、日焼けも苦手。肌を露出する人生とは無縁だと思っていました」
そう語るのは、5月5日(日・祝)に開催された『ベストボディ・ジャパン2025岐阜大会』ミス・ベストボディ部門レディースクラス(30歳〜39歳)でグランプリを獲得した小倉亜美(おぐら・あみ/34)さん。ごく普通の医療事務員として働く小倉さんが、美しいボディを作り上げ、頂点に立つまでのストーリーを聞いた。
水着に抵抗があった過去から一転、コンテストの舞台へ
小倉さんがボディメイクを始めたのは2021年。ふくよかだった体型に悩み、ダイエットを決意。運動は好きだったため1日10kmのランニングなど有酸素運動に没頭し、一時はウィメンズマラソン出場を目指すほどだったという。しかし、「痩せたけどガリガリで貧相な身体になってしまった」と感じ、筋トレにシフトした。
「筋トレは初めてでしたが、とても楽しかったです。継続できた理由は、自分だけでなんとなくジムに通うのではなく、パーソナルトレーニングを選んだことが大きいと思います。トレーナーに正しいフォームや知識を教えてもらったことで、筋トレの楽しさをより深く知ることができました」
トレーニングにどんどんのめり込み、今では週に4日、1日2時間をジムで過ごす。目に見えてお尻が上がり、メリハリある体型に変化していったことが自信となっていった。「努力の成果を見せたい」という気持ちがわき、トレーナーが過去出場していたことで知った、ベストボディ・ジャパンに2023年に挑戦。1年の欠場を経て今年またグランプリを射止めた。
減量期は独自の工夫で楽しく過ごす
小倉さんの食事は自炊中心で、クリーンな内容を心がけているものの「食べることが大好き」と公言する通り、オフシーズンには10kg近く体重が戻ることもあるそうだ。そんな小倉さんのオリジナル減量法は「好きなことに没頭して食欲を紛らわす」こと。
「空き時間があればブラックコーヒーを飲みながら『名探偵コナン』をAmazonプライムでひたすら観ていました。食事より熱中できる楽しみを見つけることで、無理な我慢をせず自然に食事量を減らすことができます」
また、食事のルールとして「糖質はカットしすぎない」「小麦や脂質が多い食品は肌荒れを避けるため控える」と決めている。これにより、トレーニングを活発にこなしながら、月に2kgのペースで負担なく減量できる身体づくりを実現しているという。
「今シーズンは素晴らしい実績のある選手が揃うなかでグランプリを獲れるとは思っていなかったので、本当にうれしいです。でも、所属しているのがゴールドジムということもあり、もっとすごい身体の人たちがゴロゴロいるのを目の当たりにしているので、負けていられないなという気持ちです。さらに自分をアップデートしていけるように頑張ります」
「トレーニングやダイエットは苦しいもの。自分にはとても続かない」とボディメイクを諦めてしまう人は多い。小倉さんのように自分が楽しいと思えるやり方を見つけることが、継続の鍵といえるかもしれない。小さくとも無理なく続けられる一歩が、自信と理想の自分につながっていく。
取材:にしかわ花 撮影:上村倫代
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。
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