6月29日に開催された『ベストボディ・ジャパン2025兵庫・神戸大会』。レディースクラス(30〜39歳)で準グランプリを獲得したのは、服飾関係の仕事に携わる木下久美子(きのした・くみこ/37)さんだ。
もともとテニスで鍛えた脚は、木下さんにとって長年のコンプレックスだった。筋肉がつきすぎたことで下半身だけが太く見え、バランスの悪さを服で隠していたという。そんな木下さんの脚を変えてくれたのは、脚のセルフケアだった。まるでフィギュア!?
足裏全体を整えることが脚痩せへの第一歩
「細くなりたくて、体重40kgを目標にしてダイエットを頑張りました。でも達成してみても、なんか違う……。理想の体型とはかけ離れていました」
有酸素運動、ファスティング、食事制限――。できることは何でもやってみて、約50万円かけて痩身エステにも通ったが、脚は変わらなかった。そんなとき、細身のモデルが週5回トレーニングしていると知り、筋トレに出合った。
上半身は重い重量で低回数を、下半身は軽い重量で高回数のトレーニングに加え、セルフケアに力を注ぐように。特に足裏のケアは徹底している。
ピラティスで骨の歪みを整えたことで、偏平足が改善。さらに、ゴルフボールで足裏をほぐし、足指のコントロール練習、マッサージガンで足首や膝回りをケアすることで、脚の変化が見られた。
「最初は足の指が全然動かなかったので、手で補助しながら10分ほどかけて、足指を動かす練習をしていました。半年で少し動くようになり、1年後には自分でも驚くほどしなやかに。今ではお風呂や料理中、寝る前の数分間でもこまめにケアしています」
完璧な身体はない。コンプレックスがあっても良いと思えるように
その努力の積み重ねが、今の結果につながっている。脚の張りはなくなり、疲れにくくなった。歩くたびにお尻に効く感覚があり、姿勢も改善。体重や体脂肪だけでなく、「土台」から整えることで、理想の身体に一歩ずつ近づいている。
「身をもって、自分でケアすることの大切さを知りました」と、木下さん。ボディメイクによって精神的にも前向きになれたという。
「以前はコンプレックスばかりに目がいっていたけど、今は自分の好きな部分や強みにも気づけるようになりました。完璧じゃなくてもいい、少しずつ整えていけばいいんだと思えるようになったんです」
自分の身体と丁寧に向き合うことで、長年のコンプレックスさえも希望に変えられる。木下さんのように「自分の手で変えていく」という選択は、誰にでもできる小さな一歩だ。
取材・文:小笠拡子 大会写真:岡 暁
小笠拡子(おがさ・ひろこ)
ボディビルにハマり、毎年筋肉鑑賞への課金が止まらない地方在住のフリーランスライター。IRONMAN・月刊ボディビルディング・Woman’s SHAPEなどで執筆・編集活動を行う。筋肉は見る専門で、毎月コツコツ筋肉鑑賞貯金をしている。
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