「50歳になったらベストボディに出る! そう決めていたんです」
そう話すのは牟田和子(むた・かずこ/50)さん。9月28日(日)に高知県で開催された『モデルジャパン高知龍馬大会』(ベストボディ・ジャパン主催)のクイーンクラス(50〜59歳)に出場し、準グランプリに輝いた。
【写真】バランスが良く、キュッと引き締まった牟田和子さんのボディ
コロナ禍をきっかけに運動を始めた牟田さん。大好きだった飲み歩きができなくなったことで生まれた時間を活用し、総合型のジムに通い始めたのがスタートだった。
最初はプールやスタジオレッスンを中心に身体を動かしていたが、次第にダンベルやウエイトを使ったトレーニングに魅了されていったという。
XLサイズのジーンズがSサイズに
筋トレを始めたきっかけは、雑誌で目にした「痩せたいなら筋トレをしろ」という一文。ベストボディコンテストに憧れを抱き、「50歳になったら挑戦する」という目標を胸にトレーニングを重ねてきた。
「正直、有酸素運動では見た目が変わりませんでした。体重は減っていたんですが、引き締まっていくわけではなくて」と牟田さん。しかし、パーソナルトレーニングで筋トレを続けるうちにボディラインが変わっていった。
身体の中でも特に大きな変化が表れたのはウエストだ。約15cmのサイズダウンを達成し、ジーンズのサイズはXLからSに。姿勢も改善し、猫背が解消されてスッと伸びた背筋になった。また、心の変化も大きく、筋トレによってストレスを発散し、嫌なことから逃げずに向き合えるようになったという。
脚トレのおかげでウエストも引き締まった!?
ウエストの変化の裏には、腹筋に特化したトレーニングではなく、スクワットやデッドリフト、レッグプレスといった全身運動の積み重ねがある。特に脚トレは得意で、65〜70㎏のレッグプレスを15回×6セットこなすという。鏡を活用して姿勢を意識しながらのトレーニングが、猫背や巻き肩の改善にもつながった。
そんな牟田さんの挑戦の背景には、ひとりの母としての人生がある。これまでの50年間は「家族のため」に生き、自分のことは後回しにしてきた。しかしベストボディ・ジャパンで活躍している女性選手のSNSを見て憧れを抱き、「これからは自分のために時間とお金を使いたい。ひとりの女性に戻りたい」と思うようになったのだ。
最初は家族から「母親がボディメイクなんて恥ずかしい」「もうそんな年齢じゃない」と反対もあった。それでもステージで輝く牟田さんの姿を見て以来、応援してくれるようになったという。
むしろ今では「それ、脂質高いよ」「たんぱく質をもう少し取ったほうがいい」と食事のアドバイスまでしてくれるようになったそうだ。
「母としてだけでなく、ひとりの女性としてイキイキと過ごしたい。元気で、美しく、年齢を重ねるほど輝けるように」。そう語る牟田さんの気持ちは、すでに次の舞台・『日本大会』へと向いている。コロナ禍をきっかけに、そして50歳という“自分のための時間”が、牟田さんの心と身体を大きく変えたくれたようだ。
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取材・文:小笠拡子 大会写真:山口夏織
小笠拡子(おがさ・ひろこ)
ボディビルにハマり、毎年筋肉鑑賞への課金が止まらない地方在住のフリーランスライター。IRONMAN・月刊ボディビルディング・Woman’s SHAPEなどで執筆・編集活動を行う。筋肉観戦が大好きなので、毎月コツコツ大会鑑賞の貯金をしている。
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