9月28日に高知県で『ベストボディ・ジャパン高知龍馬大会』が開催された。白ビキニに身を包んだ一木沙織(いちぎ・さおり/40)さんが、ウーマンズクラス(40〜49歳)で準グランプリを獲得した。
産後太りで一時期67kg、体脂肪率(※)は30%超えだったという一木さん。ボディメイクを始めたきっかけは、何気なく撮られた1枚の写真だった。そのときの自分の姿を見て、「こんなに太っていたなんて」と衝撃を受けたそうだ。
買い物に行っても“着たい服”ではなく、“着られる服”を探す日々。このままではいけないという思いから、ジムに通うことを決意した。
(※)体脂肪率は市販の体組成計で測定
身体も生活リズムも整っていく
トレーニングを始めて最初に感じた変化は、身体よりも生活リズムだったという。2人の子どもを育てながら、保育士として毎日勤務する一木さん。仕事を終えて家事を済ませると、ソファーでだらだらと過ごすのが日常だった。お菓子やジュースを手に、気づけば寝落ちしていることも。
「そんな生活が、ジムに通い始めてから一変しました。トレーニング時間を確保するために家事をテキパキとこなすようになり、自然とタイムマネジメントが身につきましたね。結果、生活全体が整い、気持ちにもハリが生まれたんです」
また、「着られる服ではなく、着たい服を選べるようになったことが本当にうれしい」と話す一木さん。外見の変化はもちろんだが、それ以上に“自分や時間を大切にする意識”も身についたのかもしれない。
「眠っていた」お尻が少しずつ成長
一方で、自分の身体にまだ満足していない部分もある。「正直、自分の身体はまだまだで……」と謙遜しながらも、トレーニングを重ねる中で最も成長を感じているのはお尻だという。
初めてパーソナルトレーニングを受けたときには「お尻が眠っている」と言われてしまうほど、お尻に刺激が入る感覚が分からなかったそうだが、そこからは地道な努力を積み重ねてきた。フォームを意識しながら狙った筋肉に全神経を集中させ、丁寧にトレーニングを行うことで効かせる感覚を磨いたという。
お尻の種目でほぼ毎回行うのは、ケーブルキックバック。他にもデッドリフトやアブダクター、ブルガリアンスクワットやヒップスラストなどの王道尻トレメニューから、3種目ほどを選んで行っているそうだ。
「種目にもよりますが、10〜15回を3セット行うことが多いです。お尻の筋肉は細かく分けるとたくさんあるので、なるべく偏りがないようにトレーニングすることを心がけています」
大会出場もボディメイク継続のモチベーションの一つ。ステージで輝く選手たちの姿を見て、「私ももっと頑張ろう」と刺激を受けるという。一方で、「無理をしないこと」も大切にしていると話す。
「常に頑張り続けているとしんどくなってしまうので、ときどき自分を甘やかすことも。オンとオフを切り替えて、楽しさを持つことが私にとっては大切です」
理想の身体を目指す道のりは決して平坦ではない。しかし、一木さんのように小さな気づきから行動を起こし、自分と向き合うことができれば、誰でも変わるチャンスを掴めるのかもしれない。
取材・文:小笠拡子 大会写真:山口夏織
小笠拡子(おがさ・ひろこ)
ボディビルにハマり、毎年筋肉鑑賞への課金が止まらない地方在住のフリーランスライター。IRONMAN・月刊ボディビルディング・Woman’s SHAPEなどで執筆・編集活動を行う。筋肉観戦が大好きなので、毎月コツコツ大会鑑賞の貯金をしている。
-ベストボディ選手, コンテスト
-BBJ, ベストボディジャパン


.jpg)








