ベストボディ・ジャパンが主催する『マッスルモデル・フィットネスモデル2025』のフィットネスモデル部門・ウーマンズクラス(50歳以上)でグランプリに輝くなど、活躍をみせているのが小柄ながら堂々と舞う姿が印象的な小川佳子(おがわ・よしこ/50)さんだ。
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ボディメイクで毎日が前向きに。「美しくありたい」と思えるようになった
コンテストに挑戦するまでは、お洒落にもあまり興味がなく、メイクも適当。立ち姿や歩き方を気にすることもなく、年齢とともに老化へ向かっていた。しかし初挑戦を機に、体型はもちろん、メイクやヘアアレンジの重要性を実感。メイクスクールやウォーキングスクールにも通い、美意識を持てるようになったことは大きな収穫だった。
バドミントン競技歴は20年。競技力向上のために通い始めたパーソナルジムで“筋トレの楽しさ”に出会い、49歳で初めてボディコンテストに挑戦。地方大会では2人中2位と悔しい結果になったが、その経験をバネに翌年の神戸大会でグランプリを獲得した。
バドミントン歴は長いものの戦術のセンスがなく、学生時代もほぼ負け試合。どこかに不完全燃焼感を抱えていたという。
「50歳で初めてグランプリというタイトルをいただき、人生で一番うれしい瞬間でした」
筋トレを始めたきっかけはバドミントンのため。当初、コンテスト出場は「自分には関係ない」と笑っていたが、ジムのトレーナーがフィジーク選手だったこともあり、自然と憧れが芽生えていった。
「40代最後の記念に一回だけ出てみようと思ったんです。でも、やってみたら本気になってしまって(笑)」
準備を始めると、トレーニングが生活の中心になった。週3回・1回1時間のトレーニングはパーソナルと24時間ジムを併用し、さらに自宅でも時間を見つけて取り組んだ。努力を重ねる中で身体の変化が目に見えて現れ、生活にもハリが出た。
大会直前はトレーニングと日焼けサロン通いが中心。終わるとバドミントンに戻るため、今は両立に悩んでいる。
「どちらか片方に専念したほうがいいとは思うけれど、どちらもやめられない。バドミントンは仲間との練習が楽しいし、ゲームとして面白い。ボディメイクは結果が素直に出るので達成感がある。“二兎を追い続けられる限りは欲張ってみようかな”」
「毎日がすごく前向きになりました。コンテストを目標にすると、日々“美しくありたい”と思って行動できるんです」
年齢を重ねてからの筋トレも苦労なし。「減量のほうが得意かも」
一般的には年齢を重ねてからの筋トレはハードルが高いとされる。しかし小川さんは「苦労はほとんどなかった」と笑う。
「減量はしんどいでしょ? とよく言われますが、むしろ減量のほうが得意。一年の中で増量期と減量期があることで食事にメリハリがつきます。増量期の終わりには食べるのが嫌になって減量期が待ち遠しくなる。大会後に好きなものを食べられるのも楽しみで、そのサイクルが心地いい」
「私、バドミントンより筋トレのほうが向いていたみたいで。やればやるほど身体が変わるのが面白いですね」
一方でバドミントンは「練習しても勝てずストレスが溜まった」と振り返る。努力が反映される実感がある筋トレのほうが続けやすかったという。
家庭との両立は大変。それでも“無関心な距離感”がちょうどいい
放射線技師として働きながら挑戦しているが、フル勤務ではないため仕事との両立は問題なかった。むしろ負担を感じるのは家庭との両立。
息子二人は高校生で帰宅時間が遅くバラバラ。ボディメイクのため早めに夕食を済ませて寝たいものの、生活が夜型に傾き睡眠不足になりがちだという。
「夫も子どももまったく無関心なんです。全員B型なので、それぞれ好きなほうに向かう感じで(笑)。でも、それくらいの距離感が私にはちょうどいいですね」
大会についても、「見に行くよ」と言われたこともなく、こちらから誘ったこともない。それでも、出発前に「がんばってね」、帰宅すると「おつかれさま」と言ってくれる。それだけで十分だという。
家族の“干渉しないスタイル”が、自分の時間とトレーニングの継続を支えてくれた。その結果、49歳で初出場、50歳でグランプリという成果につながった。
50歳でも挑戦は止まらない
現在の目標を尋ねると、「今日の日本大会でファイナルに進出したいです」と即答。挑戦への意欲は衰えない。結果は残念ながらファイナル進出ならず。「出場されている皆さんを見ていると、まだまだ足りないものがあると感じます。また出直してきます!」と語った。
「年齢を言い訳にせず、いくつになっても前向きに取り組む姿勢を持っていたいんです」
コンテストを通して輝きを増した小川さん。その挑戦は、年齢を超えて“自分の人生を楽しむ力”を教えてくれる。
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取材・文:FITNESS LOVE編集部 撮影:高坂裕希










