11月23日(日・祝)、熱気に包まれた東京・両国国技館で、観客の拍手とともに新たな女王が誕生した。『ベストボディ・ジャパン日本大会2025』ミス・ベストボディ部門クイーンクラス(50〜59歳)。スポットライトの中、満面の笑みでグランプリのサッシュを受け取ったのは、森脇幸代(もりわき・さちよ/51)さんだ。初めて出場した日本大会では予選敗退。昨年は3位に入賞し、あと一歩の悔しさを乗り越え、ついに頂点へと到達した。日本一の称号を手に入れた森脇さんが、頂点に立ったステージから見えた景色とは。

負けず嫌いな性格でグランプリを目標に挑み続けた5年間
5年前、森脇さんがトレーニングを始めたきっかけは、コロナ禍での体重増加だった。当初はダイエットが目的で、コンテストへの出場など考えてもいなかったという。しかし、トレーナーの誘いで出場した大会初年度は、予選敗退という悔しい結果に終わる。ここから森脇さんの本格的な挑戦がスタートした。
「負けず嫌いなんです。賞レースである以上、最後は勝ちたいし、グランプリがゴールだと思ってやってきました」
昨年の日本大会では3位に入賞。あと一歩のところで逃した優勝を目指し、覚悟を持って臨んだ。ハイレベルなクイーンクラスの選手たちに刺激を受け、負けられない気持ちをエネルギーに変えてトレーニングに励んだ。ついに念願のグランプリを獲得したステージで、森脇さんは特別な感情を抱いたという。
「諦めない努力の向こう側には、キラキラした景色がありました」
ストレスを溜めない。楽しむことが継続の鍵
頂点まで登りつめた森脇さんだが、日常生活のメニューは無理なく続けられるものだ。食事では上白糖や市販のお菓子を控えるなど質にはこだわるが、過度な制限はしない。「厳しくしすぎると続かないので、楽しんでやることがモットー」と語り、ストレスを溜めない工夫のおかげで5年間続けられた。
トレーニングも、ジムでの指導は週に2回のみ。ジムに行かない日は自宅でのストレッチやウォーキングなど、無理のない範囲で有酸素運動を行っている。ストイックになりすぎず、生活の中にトレーニングを上手く組み込むことで、心身のバランスを保ってきた。
「一人ではここまで来られませんでした。周りの協力があったからこそ続けられたと思います」
家族や仲間、トレーナーへ感謝を口にする森脇さん。作り上げた身体を維持しながら、「60歳でまたコンテストに出られたらいいですね」と笑顔を見せる。年齢を重ねるごとに輝きを増す森脇さんの挑戦は、まだまだ続く。
執筆者:高木みなこ
フリーランスライター。管理栄養士の経験を活かし、医療・美容・ヘルスケア分野を中心に、インタビュー記事・セールスライティングを執筆している。滋賀県出身、東京都在住。
取材・文:高木みなこ 撮影:高崎裕希










