JBBF選手 コンテスト

2児のシングルマザーがビキニ日本大会で優勝 子育て、仕事と両立し作り上げた「曲線ボディ」

9月29日(日)、岡山県にて開催された『JBBFオールジャパン フィットネス チャンピオンシップス2024』(以下オールジャパン)。ビキニフィットネス163cm以下級は、ダンシーあずさ選手が2018年~2023年で5連覇(※)を果たしている階級だ。(※2020年はコロナ禍により開催中止)

9月上旬、ダンシー選手は自身のYouTubeチャンネルでオールジャパン欠場を発表。今年度、女王に贈られるティアラを手にしたのは大工原真史(だいくはら・まふみ/42)選手。

【写真】大工原真史選手の長い手足と筋肉で魅せる曲線美

大工原選手は、2022年オールジャパンでの2位に加えて、年齢と身長で階級が分かれている『JBBFオールジャパン マスターズ フィットネス チャンピオンシップス』(以下、マスターズ)でも2位を獲得。さらに翌年の2023年にはマスターズで再び2位を収める実力派。

2017年に夫を亡くしており、現在はシングルマザーとして中学3年生と小学6年生の子どもを育てながら仕事と競技を行う大工原選手。母親として子どもたちと過ごせる時間は限られている。子育てを最優先事項と考えているため、「本当は今年のマスターズ、オールジャパンともにお休みする予定でした」と話す。

「大会に出るときは義両親に子どもたちを預けるのですが、何度もお願いするわけにもいきません。去年に獲得したクオリファイ(大会出場資格)があるので、今年はどうしても10月10〜13日にスペインで開催される、『アーノルド クラシック ヨーロッパ』(以下、アーノルド)に行きたくて……。去年、予定が合わず断念したのですが、諦めきれませんでした。このアーノルドに照準を合わせて予定を調整し、減量なども進めていたんです」

当初はアーノルド1本に絞っていたが、オールジャパンへの出場も決めたのは、「オープン戦で上位に残れるか分からないけれども、チャンスを無駄にしないように挑戦しよう」という想いがあったから。とはいえ母親業を優先し、運動会と被ってしまったマスターズは欠場。

「子どもの運動会の翌日だし、長野から岡山までは遠いし……。余裕はなかったのですが、優勝をいただけたので自分自身が一番驚いています(笑)。でも、メダルをかけて頂いたとき、今回挑戦して本当に良かったと思いました」

育児も仕事もこなす中、身体作りで1年かけて意識してきたのは “なりたい身体の追求”。コーチの近藤先生(パーソナルジム フルブローンの代表)からは「周りの意見に振り回されないで、真史さんの良いところを伸ばす方がいい結果につながる」と助言をもらい、初心に戻って「肩、背中、お尻、脚にしっかり筋肉をつけつつ、女性らしさも忘れない身体を目指した」と大工原選手。その言葉通り、昨年より一回りサイズがアップし、よりメリハリのある身体のラインに。手や足先に向かってスラリと伸びるようなシルエットは曲線美を感じられる。

彼女の次戦は、憧れ続けたアーノルド。そして12月に東京で開催される『IFBB世界女子選手権』も視野に入れている。世界の舞台が日本で開催されると言うこともあり、「子どもたちにも観に来てもらおうかなと思っているんです」と大工原選手は声を弾ませた。

大工原真史選手

【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。

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取材:小笠拡子 撮影:中島康介

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