JBBF選手 コンテスト

丸みのある筋肉で彩られたキラキラと美しいアウトライン 世界大会に向けて強化した3つのポイント

2023年10月IFBBアーノルドクラシックヨーロッパで銅メダル、2024年7月IFBBアジア選手権では金メダルと、国際大会での活躍が続く松木真美(まつき・まみ/37)選手。2024年12月17日~19日東京・有明コロシアムで行われた『IFBB世界フィットネス選手権&男子ワールドカップ』ビキニフィットネスマスターズ35~39歳164cm以下級で5位入賞、ビキニフィットネス158cm以下級で6位入賞の好成績を収めた。

【写真】松木真美さんの丸みのあるアウトライン

今回の世界選手権への出場は、かねてからの目標だったという。出場が決まってから強化した点が主に3つあったという。

「1つ目はメイク。長時間経っても崩れない、テカらない、メイク後の肌表面がサラサラできれいな状態を保てるようスキンケアから見直しました。メイク方法は新たにレッスンを受けました」

「2つ目はポージング。いかに丁寧で最低限のプレアクション(※)で規定ポーズができるかを意識して、練習中にあれもこれもとプレアクションをつけるのは止めました。また、去年3月、IFBB主要役員ナタリア・ナザレンコ氏のポージングセミナーで、『表情は多幸感が感じられるものが良い』とお話があったので、気持ちを整理しました」

※ポーズとポーズのつなぎの動き

「3つめはウォーキング。身体全体でゆるやかに、海外の選手のように歩けるよう、少しの距離でも無意識に上半身と下半身を連動できるよう、日常生活のなかで意識しました」

いずれも国際大会を戦ってきた選手ならではの強化ポイント、という印象を受ける。世界選手権は、「頭は冷静で心は高揚していましたが、リラックスしてステージに立っていたと思います」と、特に緊張を感じることもなかったようだ。

「思い返してみれば、ゾーンに入っていたのかもしれません」と松木選手はいう。

それは、マスターズの表彰式が終わり、158cm以下級での出来事だった。

「マスターズでやったIウォーク(※)が悪かったわけではありませんが、身長別のIウォークはそれ以上に誰よりも自由で自然で、表情も動作もリラックスしたステージが作れていて、自分で見てもこのIウォークは良くできていると思いました。実はこれは練習したものではなく、『ああ、ここは自分には到底たどり着けない場所だと考えていた憧れの場所なんだ、練習通りにやるのはもったいないな』と思ったら自然と勝手に、身体も顔も動いていました。靴ずれしてできた親指の水ぶくれが破れて痛かったのに、ステージ中は痛みを感じた記憶がありません」

※動きのエレガントさ、ジェスチャー、カリスマ性、チャーミングさを持ち合わせた自然なリズムでラインナップの場所まで自己表現すること

23人のエントリーがあった158cm以下級では日本人選手でただ一人決勝審査に残り、6位入賞した。松木選手は自身の優れている点について、どう考えているのだろう。

「丸みのあるアウトラインを褒めてもらえることが多いのでそこだと思います。また、これまでの大会で同行くださったコーチから、『松木さんのステージはキラキラして見える』と感想をいただいたことがあります。ステージ映えする何かがあるのだと思います」

大会を終えて、今回見えた課題についても3つ挙げてくれた。

「筋肉に関する部分は、肩、お尻、太ももといったパーツの筋肉量。これらの筋肉で丸みのあるシルエットを構築するイメージです。また、それらとは逆に、膝下や腕、ウエストは細くする必要があると感じました」

「ポージングは、リラックス感とプレアクションの柔らかさと滑らかさです。プレアクションの一つひとつの動きを丁寧にすることも大事ですが、それと同時に、重さを感じさせながらもふわふわして滑らかで柔らかい感じが出せるようにしたいです。気持ちが力みすぎるとポーズが窮屈に見えるのも改善したいです」

「メンタル面にも私に足りない点があります。海外の選手は印のない場所でも堂々とポーズを決めていたのに対して、私は足元の印を見て、歩いて、止まっているように見えました」

「世界選手権にまた出場することが目標です」と松木選手は言う。

「次はメダルを獲得、と目標を立てたいのですが、自分に対してプレッシャーをかけると良いステージを作ることができないので難しいです。メンタルにムラがあるのをどうにかコントロールできたらいいなと思っています」

松木真美選手

また、スポルテックカップで優勝して、アーノルドクラシックヨーロッパに出場する、という目標もあるそうだ。

「去年から続けて国際大会でメダルが取れたことで突然景色が変わってしまって、それまでの国内大会の自分と何が変わったか、自分で理解できていませんでした。世界選手権で、それも出場した両方のクラスで入賞できたことは、これまでの私では考えられないくらい良い成績です。メダルは獲得できませんでしたが、自分で自分に与えてしまっていたプレッシャーから解放されたようで、気分は晴れやかです。2025年のステージが待ち遠しいです」

【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。

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取材:あまのともこ 撮影:中原義史

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