「痩せるためには食事を減らすしかない」、「体重は軽ければ軽いほど良い」。その思い込みから身体に負担をかける過酷なダイエットで心身を崩す女性は多い。
【写真】私服も映える!大東夢乃さんの弾けるヒップと柔らかなS字ライン
「大学時代、不摂生で10kg増えてしまった体重を戻そうとプチ断食や炭水化物抜きダイエットをしましたが、繰り返すリバウンドや不調、そして“体重は落ちてもきれいに痩せない”という悩みからトレーニングでのボディメイクに踏み出しました」
そう語る大東夢乃(おおひがし・ゆめの/27)さんは、健康美をコンセプトとする最大手ボディコンテスト『ベストボディ・ジャパン』にて、出場歴2年で全国頂上戦である日本大会のトップ10入りを果たした注目選手だ。大東さんもかつて、食べないダイエットに苦しんだ一人である。
「初めての日本大会を終えて、私の出場するベストボディ部門ではさらにワンランク身体を引き絞る必要があると思いました。だからこそ、今は“食べて痩せられる身体”のためのオフ期を過ごしています」
大東さんが今年挑戦するのは、カロリーを減らしての減量ではなく、根本的な体質の改善による絞りだという。
「食べ痩せに欠かせない筋肉を増やすため、使用重量を上げるとともにフォームの改善でより質の高いトレーニングを目指しています。私は仕事の都合で決まった日時にジムに向かうことが難しいため、行ける日はすべて全身をみっちり2時間かけて満遍なく鍛える方法をとっています」
出張の多い営業職のかたわらボディメイクに励むため、ジムに行ける日でも21時を超えてからの入りがしばしばだという。しかし、美しい肉体美にはトレーニングが不可欠だと自身の体型変化で強く感じているため、手を抜きたくないのだという。筋トレを始めて最も変わったのはお尻のボリューム感だ。
「一番力を入れているお尻は、2年前の写真と比較すると体重は落ちているのに明らかに大きくなり形もきれいになりました。特に女性は、下半身の大きな筋肉を鍛えるのはボディラインを保つ上でも基礎代謝を上げるためにも必須だと思っています」
女性らしい肉感を保ちながら、弾けるようなハリを感じる形のいいヒップは大東さんの持ち味の一つだ。殿部は、痩せただけでは平らになるか、下に垂れてしまうため、最もトレーニングの恩恵が大きいと言われる部位である。
「今年は、さらにアップデートした身体でまた日本大会に挑みたいです。昨年はポージングの練習不足も痛感したため、魅せ方ももっとしっかりと学んでいきます」
日本人女性の体重信仰は根強く、綺麗であることと体重を減らすということが強固に結びついており、筋肉をつけるトレーニングをダイエットに取り入れる人はまだ少ない。しかし、食べないダイエットの果てにあるのは、さらに食事量を減らさなければ痩せない身体と健康の犠牲である。大東さんの柔らかな曲線が示すとおり、女性は鍛えても簡単にムキムキになりはしない。健康的な美しさは「食べてこそ作られる」という事実が、過酷な食事制限に苦しむ女性を減らすことを願ってやまない。
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取材:にしかわ花 写真提供:大東夢乃
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用も行うマルチライター。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。