最近はどこに住んでいても、トップ選手から対面やオンラインでアドバイスを受けることは珍しいことではなくなった。山口県在住のビキニフィットネス選手・金岡麻季(かなおか・まき/45)さんも、「ポージングや減量方法、トレーニング方法などをトップ選手に聞きたくて、おのずと行ってみたくなります」と、SNSなどで得られる情報をもとに連絡を取り、パーソナルトレーニングを受けてきた。
金岡さんはどういう視点でトレーナーを見つけているのだろう。
「まず直感!ですね。目的は同じだと思っているので、カテゴリーや性別にはこだわっていません。知識や経験をたくさん持っていそうな方で、『このトレーナーさんに会ってみたいなぁ。学んでみたいなぁ。好きだなぁ。すごいなぁ。素敵だなぁ。自分の想いに応えてくれそうだなぁ』と感じたらお願いしてみます。カテゴリーが違っても、それぞれのポージングの良さをビキニに生かせると思っています」
国際大会優勝のメンズフィジーク、関口貴夫選手にはオンラインで食事指導や身体の経過観察、メンタルの部分でも勇気や自信を持たせてくれる名言をもらい、JBBF中国ビキニフィットネス選手権で優勝することができた。ビキニフィットネスで2019年オールジャパン優勝した福岡の吉嗣奈津希先生はポージングだけでなく、競技の枠を超えた親身な心のケア、あちこちで新しい情報を仕入れて教えてくれる頼りになる大切な先生。昨年の世界選手権で活躍したビキニフィットネスの廣中れな選手には、広い視野、柔軟でポジティブで偉ぶるところがないなど、身体や技術以外にも学ぶところがあったという。
トレーニングを受ける中で、金岡さんが感謝したり、尊敬したりする選手には共通点があることに気づいた。
「共通するのは『私を否定しない』ことです。うなずきながら話を聞いてくれて、分からなかったら聞いて大丈夫だよ、というスタンス。こうしてみたい、を受け入れてくれる。流さない、真剣に向き合って返事をしてくれる。そういうトレーナーさんに出会えてとても幸せだと思っています」
金岡さんは今年、JBBFの大会に出場する予定だ。
「昨年JBBFの大会はお休みしたので、今年はもう一度挑戦しようと思っています。レベルが一気に上がっているので、どこまでやれるかを試してみようと思います」
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材:あまのともこ 撮影:北岡一浩