「ボディコンテストを開催している団体っていろいろあるけど、JBBFはどんな団体なの?」「興味はあるけど、知り合いもいないから不安だし、そもそもルールもポージングも分からない!」
そんな疑問や悩みを解決してくれるのが、4月20日(日)神戸市産業振興センターで開催された『JBBF競技ルール講習会・ポージング練習会』だ。主催は兵庫県ボディビル・フィットネス連盟が行い、コンテスト初参加予定者から経験者まで総勢80名以上が集まった。
【写真】兵庫県ボディビル・フィットネス連盟の講習会の様子とトップ選手のポージング
まずは講習会からスタート!
ボディコンテストに出場するには、まずルールを知らなければならない。講習会では、関西ボディビル・フィットネス連盟会長であり、IFBB国際審査員でもある中尾尚志さんと、兵庫県ボディビル・フィットネス連盟理事長の木下喜樹さんによる解説が行われた。
印象的だったのは、「どのカテゴリーについても、審美性(美)が求められる競技である」という言葉だった。ボディコンテスト競技は、ただポーズを取るだけではない。審査員の目線を意識し、各カテゴリーのルールを理解してこそ評価される。
また、近年の競技者増加に伴い、競技ルールの変更点にも触れられたことで、出場を控える選手たちは一様に真剣な眼差しだった。
各カテゴリーの衣装の規定にも触れられた。例えば人気カテゴリーのメンズフィジークでは、サーフパンツは裾のところに指2本以上入ることが規定されている。各カテゴリーごとにポージングルールはもちろん衣装ルールもあり、こういった細かい説明を直接聞くことができた。
また、ポージングのやり方やポイントは、各カテゴリーのトップ選手が披露し、多くの参加者は目を輝かせながらカメラを構えていた。
ビキニフィットネスには昨年のグランドチャンピオンシップスビキニフィットネスで2位となった小倉あれず選手がポージングを披露した。ポージングには魅せ方の技術がいる。身体の出来はもちろん、それをどう見せるかで順位が変わる。そんな当たり前だが、見落としがちな視点を改めて再確認できる時間となった。
実践!カテゴリー別に分かれてポージング練習会へ
後半は、実際の大会をイメージしたポージング練習会がスタート。
カテゴリーごとの担当講師
男子ボディビル・クラシックフィジーク担当 藤井貫太朗選手
メンズフィジーク担当 外間博也選手
女子フィジーク担当 阪森香理選手
ボディフィットネス担当 板谷成美選手
ビキニフィットネス担当 小倉あれず選手
フィットモデル担当 塩谷暁子選手
ビギナーズフィットネス担当 小川美沙選手
終始和やかな雰囲気で進められながらも、「肩のラインの高さを揃えて見せると印象が変わる」「止める時間と目線の位置が大事」「骨盤の向きは横のままで上体を正面に向ける」というように、実際の大会で結果を残してきた選手たちの細やかな指導の言葉は、会場全体の空気をグッと引き締めた。参加者は「ここまで考えてポージングをしているのか」と関心の表情を浮かべていた。この練習会で得られる最大の学びは、自分がどう見られているかを知れること。鏡を使って練習するのとは異なり、第三者の目線や審査員目線でフィードバックをもらえる貴重な機会となった。
質疑応答の時間には、「下半身の力の入れ方は?」「背中の筋肉の広げ方は?」といったリアルな疑問が飛び交った。講習会、練習会を終えた参加者の表情は、緊張から自信に変わっていたように見えた。
練習会を終えた指導担当した選手にポージングの大切さを伺った。
阪森選手(女子フィジーク)
「ポージングは一番大切だと思います。自分の良いところを見せるためのものなので、重要視していますね。細かなルールもトップ選手から直接教わることができるのでぜひ参加して欲しいです」
藤井選手(ボディビル・クラシックフィジーク)
「ポージングって、鏡で見て自分で良い感じだと思っていても、実際に人から見てもらうと、印象が違っていることがあります。そういう意味で、こうした講習会に参加して、有識者から客観的な視点でアドバイスを受けられるのは、とても良い機会だと思います。他の参加者も多く、それぞれの身体づくりや、どういったアドバイスを受けているのかも見られるので、とても有用ですね」
外間選手(メンズフィジーク)
「私は誰にもポージングは教わったことはなく、独学で練習をしてきました。ただ振り返ると、初心者のときにポージング講習会や誰かに教わった方が良かったです。その方が手っ取り早かったです(笑)」
また、ポージングサポート選手として参加したメンズフィジークの下前佑吏選手にも話を伺った。
下前選手(サポート)
「実はわたしも初めてボディコンテストに出る前は、この講習会に参加していたんです。3〜4年前くらいですかね。初心者の方は絶対に参加した方が良いです。ステージの流れも分かりますし、他の選手との交流で雰囲気もつかめると思います。あとは同じカテゴリーでも各団体でポージングが若干違うので、他団体からJBBFに初挑戦という方にもおすすめしたいです」
全員に共通していたのは、「初めての大会に出る前は、誰かに教わった方が良い」ということ。身近にそういった知り合いがいない人も、各都道府県でこういった講習会がやっていないか確認して、ぜひ参加してみてはいかがだろうか?今シーズンに向けた兵庫県ボディビル・フィットネス連盟主催の講習会は今回で終了。次回の講習会はシーズンオフとなる年末の12月もしくは来年の2月を予定している。ルールを知り、技術を学び、ステージへの第一歩を踏み出す。今回のイベントは、まさにそのためのスタートとなる時間だった。
次ページ:兵庫県ボディビル・フィットネス連盟の講習会の様子とトップ選手のポージング
取材・撮影:柳瀬康宏 写真提供:兵庫県ボディビル・フィットネス連盟
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Instagram:@jbbf_hyogo
執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。NSCA認定パーソナルトレーナー,ストレングス&コンディショニングスペシャリスト、NASM認定コレクティブエクササイズスペシャリスト。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年より毎年ボディコンテストに出場中。