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仕事帰りに毎晩ビール10杯のぽっこりお腹から筋トレ開始 ボディビル挑戦は勇気がでなかった52歳が大活躍

JBBF関西ブロックの開幕戦は2025年6月1日、神戸市産業振興センター・ハーバーホールで行われた。『第38回兵庫県クラス別ボディビル選手権大会』70kg以下級では、瀬戸口康博(せとぐち・やすひろ/52)さんが優勝した。瀬戸口さんは同日午前中に行われた『第38回兵庫県マスターズボディビル選手権大会』マスターズ50歳以上級でも優勝し、マスターズの各クラス優勝者が争うオーバーオール戦でもチャンピオンになった。

【写真】ぽっこりお腹はどこへ!?瀬戸口康博さんのバキバキの全身

筋トレを始めたきっかけは『お腹ぽっこり』

今大会、大活躍の瀬戸口さんだが、30歳を過ぎたころは現在の体型からは想像もできないような身体だったようだ。

「お恥ずかしい話なのですが……。ビールばっかり10杯くらい、毎晩飲みに行っていました。当時は今と同じ体重でお腹がぽっこり出ていて、見苦しい身体をしていたんです。お腹を何とかしようと筋トレを始めてみたものの、飲みに行く習慣は変わらず、週1、2回ちょっとだけ筋トレ。『今日はいっかー』とまた飲みに行ってしまって、身体は全く変わりませんでした」

転職とボディビルダーの先輩

「勤めていた会社を辞めて仕事が変わったら、飲みに行く回数が減ってジムに行く回数が週3回くらいになりました。少しずつ身体が変わってきて、YouTubeで日本選手権に出場しているトップビルダーのトレーニング動画を見るようになり、ボディビルをやりたくなりました」

ボディビルダーの田代誠さん(2001~2004年日本選手権4連覇)が鹿児島高専の3つ上の先輩だと知り、ますますボディビルがやりたくなったそうだ。

「やろうやろう」と思いながら勇気が出なくて……

しかし、実際に瀬戸口さんがボディビルを始めたのは2019年。やりたいのに勇気が出ない瀬戸口さんを見かねた奥様が『やったらええやん』と背中を押した。毎晩飲みに行っていたころから見守ってきた奥様は瀬戸口さんの一番の応援団だ。

「食事はこうやって、と言うと奥さんが全部やってくれます。米を250gにして、とか300gにして、とか。奥さんは僕とほぼ同じものを食べて、追加で別のものも食べているという感じです」

毎年1月4日に減量を始めると夫婦で出かけることはなくなる。夏が終わるころ、オフになったら奥様と出かけるが、筋トレは休まないので、出かけるのは月曜日と決まっているそうだ。

現在の筋トレ

「今は週6~7日トレーニング、時間は2時間半で脚の日だけ3時間半です。朝早い仕事で昼には終わるので、昼からトレーニングをしています。脚は仕事が休みの日にやっています。4分割で、日曜脚、月曜休み、火曜背中、水曜胸、木曜肩、金曜胸、土曜背中。腕を背中と胸の日に入れています」

今大会、コンディションの良さが際立っていた瀬戸口さん。

「去年まではあまり眠れなかったのが、今年はよく眠れました。有酸素運動をやりすぎて、筋肉まで落としていたのかもしれません。同じ絞り具合で2kgくらい増えて、去年65kg級でしたが今年は70kg級に出場しました。僕は一年同じものを食べているのですが、量も減らしていないし、4月末までお酒も飲んでストレスなく減量できました。去年までは減量を始めたらお酒をやめていたんです」

トレーニングが好きになった

「筋トレをやってまず健康になりました」と瀬戸口さんは言う。

「大会に出て仲間、知り合いが増えるのもうれしいです。大会で再会して、何食べてるとかどんなトレーニングしてるとか、教え合って親友みたいな関係を築いています。競技を始めてからは、痛くてもきつくても、トレーニングが好きになりました。終わった後、『今日もやり切った』という達成感が本当に気持ちいい。トレーニングを考えてやるようになり、勉強するようになったのも大会に出るようになってからです。競技をやめるつもりはありません」

7月以降も大会は続き、8月31日の『JBBF日本マスターズ選手権』まで奥様はすべてに応援に来てくれるそうだ。奥様と二人三脚で、瀬戸口さんのボディビル人生はこれからも続いていく。

瀬戸口康博さん

【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。

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取材:あまのともこ 撮影:岡 暁

執筆者:あまのともこ
主に『FITNESS LOVE』で執筆中。自身もボディコンテストに出場している。JBBF京都府オープン大会ビキニフィットネス(身長別)3位。マッスルゲート四国大会ビキニフィットネス2位。

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