身長183cmの高身長にも関わらず、極太すぎる腕。インパクト抜群の身体から繰り広げられるオリジナルマスキュラーは、白井寛人(しらい・ひろと/32)選手の代名詞になりつつある。
8月10日(日)、大阪・門真市民文化会館(ルミエールホール)にて開催された『第17回日本クラシックボディビル選手権大会』の180cm超級で優勝を飾った白井選手。2023年にクラシックボディビルの身長別で初優勝し、今年で3度目の金メダルだ。
「何回も出させてもらっていますが、何度出ても『すごい人ばっかりだな』って感じます。審査員の方々や競技者の並ぶ順番、観にきてくれている方々の応援など、さまざまな要素が重なって、運よく優勝できたんだと思っています。今回も良い評価を頂けてよかったです!」
消防士の仕事をする傍ら、『Shirai Muscle Factory(シライマッスルファクトリー)』という名の筋肉工場(ジム)で仲間たちと共にトレーニングに励む白井選手。静岡県の伊豆に住まいを持ち、自然豊かな環境で暮らしている。のどかな環境だからこそ、ユニークなのが食事や減量方法。
「これも減量だ!って言って、海に素潜りしていました(笑)」と話してくれたのは、奥さんの佳織さん。毎年の恒例行事のようなものだそうだが、「みんなにも食べさせるんだ」と素潜りをして、岩をひっくり返し貝類などを獲るのだそう。タンパク質を確保しながら、海に潜るという行為で有酸素を行う。まさに一石二鳥だ。
食材確保は夏だけのものかと思いきや、狩猟期間が解禁になる季節になれば鹿やイノシシを狩り、春は山でタケノコをとることも。都会ではなかなか叶えられない方法で、食材やタンパク質を確保している。
「トレーニングも仲間たちとすることが多い」という白井選手。今大会でも観客席から多くの声援が聞こえてきたが、それはきっと仲間たちの声なのだろう。午後に行われた『ジャパンオープン選手権』でも総勢72名の中からトップ12に選ばれ、次戦の日本クラス別選手権(9月7日)へと歩みを進めた。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材・文:小笠拡子 撮影:中原義史