年齢別ボディビル日本一を決める『日本マスターズ選手権大会』が、8月31日(日)、新潟市新潟テルサにて開催された。第37回目となる本大会で、男子ボディビルでは“最年少”40歳から最年長89歳までの169名が集結。60歳~85歳までの審査が行われる第一部で、大波乱が起きた。
【写真】本当に60歳!? 紙田由紀夫選手のバキバキすぎる筋肉
男子ボディビル60歳以上級を制したのは、紙田由紀夫(かみた・ゆきお/60)選手。30年ぶりのボディビルへのカムバックを果たした年に日本一に輝くという大快挙を挙げた。そのまま65〜85歳までの優勝者で競うオーバーオール戦も制し、第2部の40歳から60歳の優勝者で行う全年齢総合戦の出場権を手に入れた。
紙田選手は、1994年東京オープン(現東京ノービス)70kg以下級優勝。1995年東京クラス別選手権75kg以下級優勝、東京ボディビル選手権2位。1996年ジャパンオープン3位と「驚異の新人」として名を流すも、恩義のある野球チームに戻るためボディビルを断念。
しかし、今年2025年『東京クラス別選手権大会』60歳以上級に突如出場し、圧倒的なバルクで優勝。続く、『東日本選手権大会』60歳以上級優勝と昇り、本大会でついに日本一となった。
60歳以上級には、2024年の本大会優勝者である猿山直史(さるやま・なおし/61)選手。同年では猿山選手に敗れ2位となるも、2024年12月に行われた『IFBB男子ワールドカップ』ボディビルマスターズ60歳以上級で優勝、世界一となった鷲巣国彦(わしず・くにひこ/61)選手が並び、出場人数も大会最多の29名の激戦区。
「ただ、びっくりしています。まさか自分が優勝するとは思っていなかったので、呆然としています。野球の兼ね合いでボディビルは来年以降また出場を見送る予定でしたが、監督と(進退を)相談します」
第2部にはマスターズ初出場となる『伝説の背中』須江正尋選手、昨年の全年齢総合王者の『脚男』佐藤茂男選手が出場を表明している。
「すごい選手の方々と並ぶ現実に実感がありませんが、全力を尽くして頑張ります」
「驚異の新人」は、本大会全域を巻き込んだ台風の目となるか。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
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取材・文:にしかわ花 撮影:中原義史