9月14日(日)、岩手県・盛岡市民ホールで開催された『オールジャパン・フィットネスチャンピオンシップス2025』(以下、オールジャパン)。ビキニフィットネスという競技を愛し、業界を牽引してきた安井友梨(やすい・ゆり/41)選手が10連覇を飾った。
安井友梨選手の物語が始まったのは10年前。この10年の歩みで「身体、心、そして人生までもが大きく変わった」と言う。これほど長く出続けているビキニ選手は安井選手だけといっても過言ではない。
努力を積み重ねること、継続することは難しいにも関わらず、なぜ出続けられるのか。率直に尋ねてみると「唯一の長所がどれだけ殴られても、必ず立ち上がることなんですよ」と安井選手。
「続けていれば必ずチャンスが巡ってくる。逆に続けなければチャンスを掴めないんです」
また、安井選手が放つ美と強さの裏側には、「毎年新しいことにチャレンジする」という精神が見えてとれた。
なかでも特筆すべきは陸上競技。スキップすらもできなかったそうだが、「牛歩のごとく成長している」と安井選手は言う。陸上競技をすることで片足立ちが得意になり、ブルガリアンスクワットの効きも良くなったのだとか。
さらに、身体づくりの数値的な変化も印象的だ。2024年4月の増量末期には体重65kg・体脂肪率24%(※)だったが、2025年4月の増量末期は、体重59kg・体脂肪率15.7%に。
※体脂肪率は市販の体組成計で測定
「増量期の半年間は、毎日お米4合を食べていました。減量期に入ったらそこに馬肉を加えて。オールジャパンの3週間前から、タンパク質を馬肉オンリーにしたんです。これも新しい試みですね」
この結果、増量期は体重や体脂肪は抑えながら筋肉量が増え、基礎代謝が高くなった。腸内環境が良くなって便通が改善され、メンタルや生理も安定するなど良いことづくめだったそうだ。
「身体の内側のコンディションが、外側のパフォーマンスに直結している」と自らの実感を言葉にしている。
次戦は9月21日(日)に兵庫県にて開催される『オールジャパンフィットモデルチャンピオンシップス』。「自分と未来は、変えられる」を胸に、安井選手はこれからも新たな伝説を作っていく。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
次ページ:安井友梨選手が持つ、美しすぎる国宝級の砂時計ボディ
取材・文:小笠拡子 撮影:中原義史
小笠拡子(おがさ・ひろこ)
ボディビルにハマり、毎年筋肉鑑賞への課金が止まらない地方在住のフリーランスライター。IRONMAN・月刊ボディビルディング・Woman’s SHAPEなどで執筆・編集活動を行う。筋肉は見る専門で、毎月コツコツ筋肉鑑賞貯金をしている。