「記録よりも記憶に残るステージを魅せたいです」
そう語ったのは、10月12日(日)に東京・江戸川区総合文化センターで開催された『JBBFフィットネス・ジャパン・グランドチャンピオンシップス』のビキニフィットネスで4位入賞に輝いた岩崎有希(いわさき・ゆき/29)選手。この大会は全国から出場資格を得たトップ選手たちが集い、メンズフィジーク、ビキニフィットネス、ボディフィットネスで身長体重関係なく競うオーバーオール戦だ。
岩崎選手は昨年JBBFデビュー。1年目ながら地方大会で最もレベルが高いと言われる『東京選手権』を制し、今年は全国大会である『オールジャパン選手権』で2位と躍進を遂げている。ピラティスインストラクターでもある岩崎選手に、初の全国大会で感じた課題や、取り組んできたボディメイク法について伺った。

岩崎選手は今年、初めて全国のトップ選手たちと共にステージに立ったことで自身の課題が明確になったと話した。
「これまでは自分の長所だと思っていた背中が、全国のトップ選手たちと比べると全然強くなかった!と痛感しました。地方大会とはまったく違うレベルで、改めて自分の立ち位置を知ることができました」
一方、自信になった点もある。
「身体の仕上がりで言うと、トップ選手たちと比べても良かったのかなと思います。ですが、特にグランドチャンピオンシップスで感じたのは“丸み”の不足。(3位の)長瀬陽子さんと比べてみても、筋肉量が劣っているのは明確でした。なので、今後は絞りのレベルは落とさず、筋肉量を増やして柔らかさを出したい。ウエストの絞りは強みなので、そこは妥協しません」
「背骨のポジション」がボディメイク効果UPのカギ
競技成績としてはハイスピードで日本のトップレベルまで駆け上がった岩崎選手。躍進の背景にはピラティスの存在がある。
「大会に向けたウエイトトレーニングの量は少なかったのですが、その中でも成長できたのは身体のアライメントが整ってきたことが大きいと思います。特に感じるのが“背骨のポジション”。上手くここが整ったことで、少ないトレーニングボリュームでも重量アップできていました。減量中でも筋肥大していたんじゃないかな?」
背骨のポジションを整えた方法を伺ってみた。
「私の場合、(ピラティスの)マシンを使うと、可動域は出しやすい反面スプリング(バネ)の補助に頼ってしまいやすいと感じており、定期的にマット種目で膝立ち、座り姿勢、立った姿勢で重力をかけつつ安定させるエクササイズを取り入れていました。身体一つでどこでも行えるのもメリットです」
そのような地道な努力が今シーズンの躍進につながった。
また、グランドチャンピオンシップスで優勝した“ビキニの女王”こと安井友梨選手がInstagramで「ビキニのニュースターが現れた」と岩崎選手のことを称賛。そのことについて、本人に聞いてみた。
「安井さんにはポテンシャルを感じたと言っていただけてうれしかったです!今後もなりたい自分を目指しつつビキニ競技を微力ながら盛り上げていきたいと思っています」
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材・文:FITNESSLOVE編集部 撮影:中原義史










