63歳で当直ナースを務める、高村奈緒美(たかむら・なおみ/63)さん。当直とは、いわゆる24時間体制で働く看護師のことだ。
これを聞くだけで、いかに高村さんがパワフルであるかを想像できるが、さらに驚くべきは高村さんの鍛え上げた身体だ。
【写真】63歳とは思えない!高村奈緒美さんのキレッキレの肉体美
高村さんが筋トレを始めたのは59歳のとき。
「体重は今より10kgぐらい多い53kg、体脂肪は32%でした。典型的なおばちゃん体型ですよね。カッコいい還暦を迎えたくて、ダイエットを決意しました」
トレーニングを始めて1年経ち、体重は10kg減、体脂肪率は半分の16%に。このビフォーアフターの背景には、食事革命と運動による肉体改造があった。
ケーキ1日5〜6個生活との別れ
ジムデビューした高村さんは、トレーナーによる指導のもと全身をまんべんなく鍛え始めた。トレーナーが筋トレの前後に整体やストレッチをしてくれるという、充実したサービス内容で続けることができたという。
身体を変えてくれたのは筋トレだけではない。よもぎ蒸しでのデトックスや筋膜リリースで身体をケア。通勤手段を徒歩に変え、ジムでも無限階段で有酸素運動をした。さらに、むくみ予防のために水分も1日に1.5リットルは飲み、毎日鏡で全身をチェック。
これと同時に、食事内容もトレーナーと共に見直していった。最も大きな食事革命は、タンパク質の摂取だったそうだ。
「その当時、お菓子とかケーキとか大好きで1日に5〜6個食べていたこともありました。このときは便秘をしたり身体が冷えたりと、体内の健康状態がよくなかったんですね。まずは、余計な食事を減らす・タンパク質を摂取するという2点から始めました」
2点を意識する食生活に変えたことで、悩んでいた便秘や冷えは解消され体重も落ちていった。
大好きだった甘いものも、徐々に嗜好が変わったという。大会出場のためにケーキを一切絶った最初は、つらくなってケーキを食べてしまったことも。罪悪感があったが、トレーナーに「ストレスが溜まるから食べてもいい。でも食べ過ぎはダメだよ」と教えてもらったことで、頑張れたのだという。
「いきなり全部カットするから、精神的につらくなっちゃうんだと学びました。ほどほどに、が身体にとっても心にとっても一番良いんですよね。ただ、大会出場するようになった今では甘いもの=大福やおはぎ、と好みが完全に変わりましたが(笑)」
今では普段の食事メニューもほぼ固定。通年で白米・鶏胸肉・ブロッコリー・卵・プチトマトを食べているそうで、むしろ献立を考えなくていい分、楽だという。脂質はナッツ類をつまむことで、肌のハリ感が良くなったのだそう。
当直ナースという多忙な仕事ながら、3月23日(日)に愛媛県新居浜市で開催された『マッスルゲート Women’s Contest』に出場し、ウーマンズフィジークで優勝を飾った高村さん。キレのある肉体美を披露し、会場からは自然に歓声と拍手が沸き起こっていた。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
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取材・文:小笠拡子 撮影:北岡一浩