引き締まったボディラインで『ゴールドジム JAPANCUP2024』のレギンスカテゴリーで優勝するなど、活躍をみせた榎本希(えのもと・のぞみ/37)さん。しかし過去には過食嘔吐で心身ともに不健康だったことも……。そんな榎本さんが進化した工夫とは。
[初出:Woman'sSHAPE vol.29]
過食嘔吐に悩まされた過去
ジムに通い始めたのは、過食嘔吐に悩まされていたときでした。2021年のコロナ禍で在宅勤務が多かった時期にYouTubeのハードなヨガで汗を大量にかくまでやり続け、運動量に伴って食欲が高まっていきました。仕事から帰宅後も家族が帰ってくるまでずっと食べ続ける毎日で、罪悪感と体重増加の恐怖から「食べたら吐けばいい」という気持ちに変わり、食べる、吐くを繰り返すようになりました。
どう改善すべきか考え、物理的に食べ物から距離を置くことにしました。職場近くのジムに仕事帰りに立ち寄るようにし、家のお菓子は家族に隠してもらい、なるべく誰かと一緒に食事をすることで過食は少し抑えられたように思います。
ビキニ女王への宣言で進化
それから2023年12月末ごろ、家族との死別で精神状態がひどく落ち込んでしまったとき、前々から申し込んでいた安井友梨さんの「自分と未来は変えられる」セミナーに勇気を出して行きました。そこで「大会に出ます!」と宣言したことがきっかけで本格的にトレーニングを開始。考えるのは少しだけにして、とりあえず行動すれば、やるべきことが見えてくる。毎日のスケジュールを時間別に細かく分けて余計なことは考えないように没頭しました。
また、「何をどれだけ食べたのか、どうしてその行動に至ったのか、どんな気持ちで食べていたのか」等をいつもトレーナーさんに話しています。食べた行動から自分を責めるのではなく、どの栄養素が足りていなかったのか、食べた後はどう行動するのかを教えてもらい、原因と改善方法を理解することで、前のように繰り返し吐くことがなくなりました。話を聞いてもらってリフレッシュできていたと思います。
今後の目標はビキニフィットネスでステージに立つことです。そのために筋量を上げて身体に厚みを作り、レギンスカテゴリーのときと違った自分になります。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材・文:Woman's SHAPE編集部 撮影:中島康介 写真提供:榎本希