「自分を変えたいと思ったのは、4人目の出産後。体重も戻らず、身体はいつも冷えていて……このままじゃ嫌だなって」
4月6日(日)に大阪門真市で開催された『マッスルゲート大阪』の激戦カテゴリー・ウーマンズレギンス部門の身長別・年齢別で1位と2位を獲得し注目を集めたのが、片岡美香(かたおか・みか/41)さんだ。2021年から大会に出場し始め、トレーニング歴は5年。母として、そしてパーソナルトレーナーとして多忙な毎日を送りながらも、時間を生み出し、着実に身体を進化させてきた。
文明の利器をフル活用し時間を捻出
トレーニングのきっかけは、4度の出産で戻り切らない体重と、体力をつけたいという思いから、2020年にジムに入会したことだった。初めての挑戦は不安もあったが思いきって飛び込んだ。
変化していく自分の身体を目の当たりにしてどんどん筋トレにハマっていった片岡さん。2022年にはマッスルゲート浜松に挑戦し、ウーマンズレギンス新人163cm以下級で優勝をした。今回のマッスルゲート大阪は、実に3年ぶりのボディコンテスト出場。ステージに立ち、あらためて「やっぱり楽しい」と実感できたという。
「マッスルゲートは、選手もスタッフも本当にあたたかいです。居心地がいいんですよね。夫も『すごく温もりのある大会だね』って言ってくれたほどです」
仕事と4人の育児の合間を縫ってのトレーニングは、決して楽な道ではない。だが、片岡さんには工夫と強い意志があった。
「仕事がない時間、子どもが学校に行っている時間。それをすべてトレーニングにあてました。食洗機や洗濯乾燥機、生協の宅配…いろんな文明の力を使いまくりました(笑)」
朝と夜にはエアロバイクを30〜45分。隙間時間を徹底的に見える化し、スケジュールを把握。だからこそ毎日忙しくても、できる時間を見つけられる。
トレーナーとしての活動は、実は主婦時代からの延長線。スポーツクラブでのアルバイトを経て、パーソナルトレーナー資格のNSCA-CPTを取得。今では自らパーソナルトレーニングジムを開業するまでになった。
「夫もジムに通うように勧めました。一緒にトレーニングの楽しさを知ってもらえたら良いなと思いました」
食事管理にも片岡さんのこだわりがあった。脂質は控えめに、昼は朝よりしっかり。炭水化物はさつまいも派。なかでも福井県の『とみつ金時』がイチ押し。鶏むねに飽きてきたので、最近は豚しゃぶを愛用中。冷凍野菜もフル活用して、無理なく・飽きずに続けられる方法を見つけている。
「セブンイレブンの干しいももよく食べます。冷凍のスライスオクラも便利です。圧力IH調理器でつくる鶏むねはしっとりしていておすすめですよ」
意外だったのは、自分の身体の再発見。
「ずっとぽっちゃりむっちり体型だと思っていたのに、実は骨格が華奢だったんです。痩せて初めて気づきました(笑)」
「子どもが4人いても、お母さんでも、隙間時間って探せば必ずあります。やる気さえあれば、何歳からでも変われる。変えられるのは自分だけ。だから一歩踏み出してみてほしいです」
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:柳瀬康宏 撮影:上村倫代
執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。NSCA認定パーソナルトレーナー,ストレングス&コンディショニングスペシャリスト、NASM認定コレクティブエクササイズスペシャリスト。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年より毎年ボディコンテストに出場中。