2025年、各地のマッスルゲート大会で存在感を放っているのが、49歳にしてフィットネスインストラクターとしても活躍するスワン真由美(すわん・まゆみ)さんだ。マッスルゲート東京スポルテック大会のウーマンズレギンスフィットネス163cm以下級2位、群馬大会では同カテゴリで1位、さらにボディフィットネスでも2位を獲得。湘南大会でも複数入賞を果たすなど、確実に歩みを進めている。
劣等感からボディメイク挑戦へ
中学生のころから「下半身デブ」と言われ続け、交際相手からも「上半身と下半身が別人」「ゾウ脚」と心ない言葉を浴びてきた。強いコンプレックスを抱えたが、転機はフィットネスの現場に立つようになってからだった。
「オーストラリアでZUMBAやステップレッスンのインストラクターをしています。こちらでは男女問わず筋肉量の多い人が多く、アジア人だから小さい身体だと舐められたくなかった。同じ土俵に立ちたいという思いから筋トレに打ち込みました」
当初は自己流でトレーニングをしていたが、狙った筋肉に効かせられず偏った発達に。パーソナルトレーナーに見てもらってから、背中のトレーニングの楽しさに目覚め、結果も向上したという。
「背中の広がりが評価されたのが本当にうれしかったです。これからさらに大きな背中を目指していきます」
こだわりは「背面美人」
年齢を重ねるなかで、スワンさんが最も意識しているのは「後ろ姿」だ。
「もう前からは勝負できない年齢なので(笑)、せめて後ろ姿は若々しく見られたい。後ろからナンパされて、振り向いた瞬間に『あ、すみません』とガッカリされるくらいの背面美人を目指しています」
背中とお尻の徹底的な鍛錬が日課。週6日、1日1〜1.5時間のトレーニングを積み重ねる日々のなかで、心境にも変化があった。
「メンタルが強くなり、多少のストレスではへこたれなくなりました。周りからも『生き生きしている』『輝いている』と言ってもらえるのが本当に励みです」
目標は、アメリカンコミックに登場する『ワンダーウーマン』のような力強い身体。
「資質の違いはあっても、『あのアジア人、ちゃんとフィットしてるわね』と思ってもらえるレベルを目指したいです。昨年より前進できていると自負しています」
49歳にしてなお進化を続けるスワン真由美さん。その挑戦は、多くの女性に「年齢は関係ない」という力強いメッセージを届けている。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介