12月20日(土)、東京・品川インターシティホールで開催された『ゴールドジムジャパンカップ2025』。女子フィジークで頂点に立ったのは、栃木県宇都宮を拠点に活動するフィットネスインストラクター、徳島舞(とくしま・まい/36)さんだ。女子フィジークとしては今季が事実上のデビューイヤー。その初年度で、全国大会の頂点に立った。

「筋肉と会話する」短時間・高密度トレーニング
「ポーズがとにかくカッコイイ。フリーポーズを、どうしてもやってみたかったんです」
これまで他団体のフィギュアカテゴリーに挑戦してきたが、最終的に選んだのがマッスルゲートやJBBFの女子フィジークだった。丸みと厚みを併せ持つ筋肉、堂々とした立ち姿。その完成度は、デビュー年とは思えない仕上がりで観客席からは「カッコイイ」という声が聞こえるほどだった。
トレーニングは1回1~1時間半。決して長くはない。それでも結果を出せる理由を、徳島さんはこう語る。
「その日の体調や筋肉の状態を見て、筋肉と会話するようにトレーニングしています。今日はここまでいける、という限界を見極めながら、できるところまで追い込む」
頻度は週6~7回。仕事の状況に応じて柔軟に調整する。量ではなく、質と集中。それが徳島さんのスタイルだ。
最大の敵は「食欲」
筋トレそのものは好きでも、大会に向けた減量は別物だ。
「食べるのが本当に好きなので、食欲との戦いは一番つらかったですね」
さらに、徳島はフィットネスインストラクター兼パーソナルトレーナー。エアロビクスやステップ、レズミルズなどのプログラムを担当し、日常的に身体を動かす仕事をしている。減量末期は、体力的にも精神的にも厳しかったという。
「それでも、周りのサポートがあったから、ここまで来られました」
原点は学生時代の水泳だった。補助トレーニングとして始めた筋トレで、次第に“重量が伸びていく感覚”に魅了されていった。
「最初はベンチプレスも20kgが上がらなかった。でも、男子が60kgを挙げているのを見て、悔しくて頑張りました」
現在のベンチプレスの最高重量は67.5kg。特定の得意種目を作るよりも、全身をまんべんなく高めてきたことが、女子フィジークで評価されるバランスの取れた身体につながっている。
「この優勝は通過点です」
全国制覇を果たした今も、視線は前を向く。
「筋肉をもっと大きく育てて、自分の限界に挑戦し続けたい。ボディメイクを通して、心も身体も健康でいられることを、インストラクターとして伝えていきたいです」
取材・文:FITNESS LOVE編集部 撮影:北岡一浩










