夏の陽射しが降り注ぐ神戸・三宮。青くきらめく大阪湾と、緑深い六甲山を背景に、熱気あふれるステージが繰り広げられた。
マッスルゲート神戸大会(2026年8月1日、神戸芸術劇場)のドリームモデル163cm超級で2位に輝いた濱田萌里(はまだ・もえり/27)さんは、淡路島を拠点に仕事と競技を両立する女性トレーニーだ。
今年は淡路島観光アンバサダーに選出され、地元の魅力を伝える活動にも取り組んでいる。
【写真】濱田萌里さんのスリットの入った赤いドレスで魅せるサイドポーズ

きっかけは「太り過ぎてスーツが入らない」
普段の仕事では飲食事業のサービスオペレーション(SO)として約24店舗の運営に携わっている。
筋トレを始めたきっかけは、意外にも競技とは無縁の出来事だった。
「入社1年目の研修のときに太り過ぎて、スーツが入らなくなったんです。それがすごくショックで……」
そこから身体づくりを始め、少しずつ変化を実感するようになった。特に印象に残っているのは、仕事の同期と久しぶりに会ったときの言葉だ。
「『痩せたね』『スタイル良くなったね』と言われたことがすごくうれしかったです。今では会社でマッスルキャラクターになりました(笑)!」
「筋肉の大会は男性が出るもの」と思っていた
大会出場のきっかけは会社の同僚が出場したマッスルゲートだった。
「同僚がクラシックフィジークに出場していて、応援に行ったんです。そのときに女性のカテゴリーがあることを初めて知りました」
それまで「筋肉の大会は男性が出るもの」というイメージだったが、女性カテゴリーの存在を知り、「自分も出てみたい」と挑戦を決意した。
自宅にホームジムを完備
淡路島で競技を続けるうえでは、トレーニング環境にも工夫が必要だった。普段利用する洲本のジムまでは車で約30分。仕事の都合で通うことが難しい日もあるため、自宅にもラック、ベンチ、ダンベルをそろえ、ホームジムを作った。
「それくらい筋トレが好きなんです!」
現在はクロスフィットと重量系の筋トレを分けて取り組む。特に自信がある部位は肩で、サイドレイズやショルダープレスでは、僧帽筋に刺激が入りすぎないよう意識しているという。
目標は、プロのビキニ選手のような下半身まできれいに絞れた身体だ。
「ハムストリング(太ももの裏側)とお尻の境目をくっきり出したくて、脚トレを頑張っています。スタイルが良く見えるし、とにかくかっこいいので!」
とっておきの減量食――淡路鶏の無水カレー
淡路島観光アンバサダーとして地元の魅力も発信する濱田さんならではの減量食が、淡路鶏を使った無水カレーだ。
「仲のいい精肉店が淡路鶏の皮なしミンチを卸してくれるので、よく無水カレーを作ります。カレーが大好物なので、美味しく減量したいんです」
仕事中は一日中走り回っているため、炭水化物もしっかり取る。無理に食事を削るのではなく、好きなものを工夫して楽しみながら身体を作っている。
やったらやった分だけ結果が見える
身体づくりを始めたことで得た変化は、見た目だけではなく、自分自身への自信にもつながった。
「筋トレは唯一、結果を裏切らないものだと思っています。やったらやった分だけ結果が見える。だからこそ、今でも継続できています」
その言葉の通り、濱田さんの挑戦はまだ続く。今年11月にはFWJのモノキニクラス、来年1月には世界80以上の都市でレースが開催され、全世界で55万人以上が熱狂するフィットネスレース『HYROX(ハイロックス)』への出場を予定している。
仕事に淡路島観光アンバサダーとしての活動、そして新たな競技への出場。淡路島で働き、鍛え、発信する日々は、まだまだ続く。
用語解説
ドリームモデル:
安井友梨考案。女性の美しさをトータルパッケージで競う、マッスルゲート内でもひと際華やかなカテゴリー。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
都内の出版社で数学書の編集者として勤務。
ゴールドジムでトレーニングに励み、ボディビル競技に挑戦中。2024年マッスルゲート埼玉大会ボディビル65kg以下級3位、2025年東京ノービスボディビル選手権大会男子ボディビル55kg以下級2位。
競技者としての経験を生かし、筋トレ情報サイト「FITNESS LOVE」で取材・執筆を担当。
徳島県徳島市出身、神奈川県大和市在住。
取材・文:久米大郎 写真:岡暁










