10月5日(日)、兵庫県・淡路島大浜海水浴場にて『POWER BUILDING CLASSIC 2025 in AWAJI(パワービルディングクラシック)』(以下PBC)が開催された。この大会は、パワーリフティング競技とフィットネス競技を融合させた日本初のパワービルディングコンテストで、高重量を持ち上げる強さ、身体の美しさを競い合う。本大会で『メンズフィジーク172cm以下級』に出場して4位入賞をしたのは、兵庫県神戸市を拠点に活動するパーソナルトレーナーの中西浩基(なかにし・ひろき/26)さんだ。

中西さんには双子の弟がおり、兄弟揃ってPBCに挑戦した。
「増量も減量も同じで自分たちに合った食材を共有し合えたり、調整方法を研究し合ったりできるのでとても助かりますね。ただ仕上がり具合や使用重量は双子とはいえ若干違うので、追いつけ追い越せ精神でお互いを高め合っています」
「パワー×美」──理想を体現する舞台
「今回PBCに参加して、めちゃめちゃ楽しかったんです!」
中西さんは、『パワーリフティング競技×フィジーク競技』というPBCならではの形式に惹かれたという。
「力強さも兼ね備えながら魅せる身体。まさに私が目指している姿でした。デッドリフトでは230kgを持ち上げることができ、ベストを更新できましたし、最高に燃えた大会でした!」
中西さんのトレーニングのきっかけは受験太りで、「成人式までに痩せたい」という思いから始まった。
「もともと太りやすい体質で、同級生にネタにされることもありました。でも身体が変わって大会に出たことで、周りから尊敬されるようになりました。それが自信になりました」
やがて、通っていたジムのトレーナーから「アウトラインがきれいだから大会に出た方がいい」と声をかけられ、ボディメイクの世界へ足を踏み入れた。
トレーナーとして、鍛えるだけでなく“見せる背中”を
中西さんは現在、パーソナルジムでパーソナルトレーナーとして活動中。
「身体づくりの勉強は仕事にもボディメイクにも生かせるので、どちらも捗っています。仕事前や仕事後にトレーニングするのがルーティンで、30分でもいいから筋肉に刺激を入れる。時間が取れないときは家の可変式ダンベルでトレーニングします。とにかくやらない日を作らないようにしています」
努力を行動で示す。その信念が、トレーナーとしての説得力を支えている。また、栄養面からのアプローチもこだわりがあり、注目しているのが腸活だという。
「最近はPFCバランスよりも、腸内環境を整えることを意識しています。どんなにタンパク質を取っても、腸の状態が悪ければ吸収されませんから。具体的な食事は、味噌汁は国産大豆の自然発酵、漬物は天然の酵素を意識しています。加工食品を減らして素材から調理するようにしました。腸が整えば免疫もメンタルも安定する。長期的に見ても、ボディメイクの質が上がると思います。お弁当は鶏胸肉など高タンパクな食材中心にしています」
腸内環境も意識をするほど食事を大切にしている中西さんだが、トレーニングを始める前は食事の質を全く気にしていなかった。
「昔はジャンクフードが大好きで、止めることができなくなっていました。でも、ジャンクフードを食べた後のことを考えるようになって、自然と抑制力がつきました。太らない身体は、食習慣への思考の変化から生まれたと思います」
そして、最後にこう語った。
「何事も目指せば成ると思います。無謀でも目指せば、行動と思考が変わる。どうすれば叶えられるか、どうすれば成長できるかを考え続ければ、全く違う自分に出会えると思います」
取材・文:柳瀬康宏 写真提供:POWER BUILDING CLASSIC運営
執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格:NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに挑戦中。










