筋肉を育てる、体脂肪を落とす。そんなボディメイクをしている人の食事といえば、鶏胸肉を想像する人が多いだろう。しかし、大西徹(おおにし・とおる/40)さんは、動物性の食事をやめたヴィーガンスタイルでボディメイクを楽しんでいる。かつては体重100kg・体脂肪率35%超という体型だったが、現在は59.1kg・体脂肪率4.7%(4月15日計測時)という驚異のボディへと生まれ変わった。
(※体脂肪率は市販の体組成計によるもの)
【写真】たるみもなく、引き締まったスタイリッシュボディを持つ大西徹さんの大会写真
「植物性でも筋肉は育つ」──自らの身体で証明したい
2017年からヴィーガンのライフスタイルを始めた大西さん。動物性の食事でなくとも筋肉を育てられるのか――。その疑問を、自身の身体で実践しながら探求してきたそうだ。
「ヴィーガンになる前の太っていた時期に、マラソンで30kgの減量を経験しました。しかしリバウンドも多くて……。ヴィーガンになってから腸内環境が整ったようで、体重の増減が安定したんです。そういった経験から “どうしたらストレスなく食事と向き合い、ボディメイクを楽しめるか” を考えるようになりました」
ヴィーガンスタイルになってから、大西さんがタンパク源として選んでいたのは、ソイ(大豆)プロテイン。しかし、筋トレを開始するにあたって「筋肉のつき方に物足りなさを感じた」と言う。
その後、スーパーフードをブレンドしたプロテインや、さまざまな植物性タンパクを試し、最終的にたどり着いたのがピー(えんどう豆)プロテイン。ピープロテインは植物性タンパク質でありながら、筋肉のエネルギー源となるアミノ酸が豊富に含まれており、筋肥大への効果が期待できる。まさに大西さんに適したプロテインだった。
食事面では、消化の良い穀物や野菜の中でも炭水化物量が豊富なかぼちゃをベースに、ピーナッツバターで脂質を補うといった工夫も。PFCバランスを意識しつつ、心身にストレスの少ない食生活を追求しているという。
多忙な日々でも感謝を胸に、身体を“育てる”
「実は会社を経営していて、仕事柄どうしても睡眠は4時間弱。朝6時から日が回るまで仕事をする生活スタイルでした」
そう話す大西さんは、過酷なスケジュールの中でも日々のトレーニングを欠かさない。24時間という限られた時間の中で、いかに効率良くトレーニングをするか。こういったことを常に考えてボディメイクに励み、2024年からボディコンテスト団体・サマースタイルアワードを中心に出場・活躍している。
「昔は太りやすく、内気で陰キャだった自分が筋トレを通じて少しずつ明るくなれた気がしています」と、大西さん。自身のインスタグラムでもトレーニングの様子や食事の工夫などを投稿し、“ヴィーガンスタイルでも、ここまで仕上げられる”という証明をしてくれる希望の星だ。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
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取材・文:小笠拡子 撮影:夏目英明 写真提供:大西 徹